「花の命は短い」というが、やはり短い。本当は5年、10年咲き続けてほしいのだが。
何しろ、枯れたら落ち込んでるみたいになっちゃうから。首をもたげてうつむいているみたいな。悲哀が漂っている。

それならば、こまめに世話をすることが大事。たとえば、部屋の花瓶に刺さってる一輪の花だったら、毎日水を入れ替えるのは当然。じゃないと、ドンドン茎が腐ってしまう。

でも、そうもいかないほどに忙しい時だってあるかもれない。多忙を極める社会人が、癒されるために花を飾っているのに、ついにはその世話をおっくうになったり。本末転倒である。

実は、水よりもイイものがあるらしいのだ。それは、株式会社ハイテックより発売されている『エコゼリー』のこと。
この『エコゼリー』に花を刺すと、夏場では水に比べ3~4倍の日数、花を長持ちさせるというのだ。
そしてゼリーに色がついているので、見た目もキレイ。

この商品を開発したのは、(株)ハイテックとは別会社になる伏見製薬所という機関。ここに所属する担当者に、開発のキッカケについて伺った。
「約16年前にスーパー等で販売をしている刺身、切り身の保冷剤の開発依頼があり、検討を始めましたが、植物の種子と苗の生育にも利用できることがわかり、花の鮮度保持向けに開発目的を変更いたしました」
と、13~14年前より発売されている商品。現在のような形態で販売されるようになったのは、2008年かららしい。

それにしても、何で長持ちするのか?
「防腐剤が入っており、ゼリーが腐らないのと、栄養剤が入っているためです。
類似品としてポリマータイプの製品もありますが、『エコゼリー』はポリマータイプと違って水を保持する力が切り花の水を吸う力よりも弱く、切り花がエコゼリーからの離水を自由に供給できます」
今までのポリマータイプだと、花が水を吸い上げにくかった。でも、この『エコゼリー』は吸い上げやすいのだ。

また、ウリはそれだけではない。とにかくゼリーがカラフルなので、グラス等に『エコゼリー』を入れて、そこに花を刺せば、それだけで部屋を明るくするインテリアに早変わり。カラーはパープル、ブルー、グリーン、ライムグリーン、イエロー、オレンジ、レッド、ピンクと、全8色が用意されている。

このゼリー、本当に幅広い分野から反響が続々届いている。

花の生産者からは「水のように交換する必要がなく、1度使用すると外せない」なんて声が。
東京の市場からは「エコゼリーを付けることにより、セリ価格に差が出る」。
ギフト業界からは「母の日等のギフトに鮮度保持の保険としてエコゼリーを付けている」。
一般消費者からは「水と違って腐らず、匂わない」、「不要になったゼリーは燃えるゴミとして処理できるため、捨てるのが簡単」、「カラーエコゼリーは色を組み合わせて自由にコーディネートすることができるので装飾に利用している」、「プレゼントに使っている」なんて、まさに絶賛の嵐か。

このエコゼリーは(株)ハイテックのネットショップ、または東急ハンズの渋谷店、新宿店で取り扱っており、池袋店など他の店舗でも順次販売が開始される予定。価格は1箱8色入りで2,100円(税込み)。


“美人薄命”とはよく言ったものだが、このゼリーで寿命を少しでも延ばしていただきたい。
(寺西ジャジューカ)