この「ポケットメイト」シリーズ、2005年に生誕30周年を記念して復刻販売が始まりました。それだけでも驚きだったのに、なんと今夏、iPhoneアプリでまさかの復活をはたしたんですよ。「野球ゲーム」「メイロゲーム」「フィールド アスレチック」の3本が配信中です。もっとも「懐かしい~!」なんて歓声を上げると、年がばれるのでご用心。
「野球ゲーム」は、画面右下をスライドして鉄球を打ち出すパチンコスタイル。「メイロゲーム」は鉄球を転がしてゴールをめざす内容です。「フィールドアスレチック」も鉄球誘導ゲームで、筏渡しなどのギミックも完全再現されています。画面サイズといい、操作方法といい、対象ユーザー層といい、まさにiPhoneアプリならではですね。
デジタル版ならではの追加要素も忘れちゃいけない。最大の特徴はサウンドの追加で、どれも「それっぽい」BGMが流れて雰囲気を盛り上げます。
また、いずれもデジタル版ならではのアレンジ要素が満載です。「野球ゲーム」ではグラフィックが今風のアレンジモードに加えて、対戦モードやクエストモードも追加。「メイロ」では3段階の難易度調整や、タイムアタックモードなどが遊べます。「フィールドアスレチックス」では鉄球の周りが真っ暗になる「ナイトモード」などもありますよ。
このアプリがおもしろいのは、デジタルを極めてアナログ感を表現しているところ。これ、人間そっくりのマネキンを作るみたいなもので、見た目以上に大変なんですよ。中でも「フィールドアスレチック」では、本体を指でトントン叩いて、切り株の上を転がすテクニックまで使えて驚きました。かつての思い出に挑戦って感じでしょうか。
んでもって「ポケットメイト」には「見ただけで遊び方がわかる」「技を競える奥深さがある」という2つの特徴がありました。これ、そのまま「ゲーム&ウォッチ」などの電子ゲームに受け継がれていきます。アナログゲームとデジタルゲームのミッシングリング再発見……てな話はさておき、純粋に懐かしがるのがオススメです。
ちなみに僕は数あるシリーズの中でも、3枚の板を並べてコースを作り、鉄球を転がす「ポケットメイト10 ゴルフゲーム」が好きでした。OBを連発して鉄球がどっかに飛んでいき、みんなで探したっけ……。それぞれのユーザーに、それぞれの思い出があるはず。続編開発の際には、ウェブで人気投票なども期待したいところです。(小野憲史)