1975年に登場した元祖携帯ゲーム「ポケットメイト」。カセットテープサイズのプラスチックボディに、さまざまなギミックが満載された、アナログゲームのシリーズです。
休み時間の教室で、公園で、はたまた修学旅行などで大活躍。販売終了までの10年間で、約120種類発売されたんですって。すっげー!

この「ポケットメイト」シリーズ、2005年に生誕30周年を記念して復刻販売が始まりました。それだけでも驚きだったのに、なんと今夏、iPhoneアプリでまさかの復活をはたしたんですよ。野球ゲーム」「メイロゲーム」「フィールド アスレチックの3本が配信中です。もっとも「懐かしい~!」なんて歓声を上げると、年がばれるのでご用心。

「野球ゲーム」は、画面右下をスライドして鉄球を打ち出すパチンコスタイル。「メイロゲーム」は鉄球を転がしてゴールをめざす内容です。「フィールドアスレチック」も鉄球誘導ゲームで、筏渡しなどのギミックも完全再現されています。画面サイズといい、操作方法といい、対象ユーザー層といい、まさにiPhoneアプリならではですね。

デジタル版ならではの追加要素も忘れちゃいけない。最大の特徴はサウンドの追加で、どれも「それっぽい」BGMが流れて雰囲気を盛り上げます。
「フィールドアスレチックス」なんて、カントリー風の音楽がゲーム内容とマッチして、イライラ感がさらに倍増! 「野球ゲーム」でも鉄球がカラカラ転がる音が、良い塩梅です。

また、いずれもデジタル版ならではのアレンジ要素が満載です。「野球ゲーム」ではグラフィックが今風のアレンジモードに加えて、対戦モードやクエストモードも追加。「メイロ」では3段階の難易度調整や、タイムアタックモードなどが遊べます。「フィールドアスレチックス」では鉄球の周りが真っ暗になる「ナイトモード」などもありますよ。

このアプリがおもしろいのは、デジタルを極めてアナログ感を表現しているところ。これ、人間そっくりのマネキンを作るみたいなもので、見た目以上に大変なんですよ。中でも「フィールドアスレチック」では、本体を指でトントン叩いて、切り株の上を転がすテクニックまで使えて驚きました。かつての思い出に挑戦って感じでしょうか。

んでもって「ポケットメイト」には「見ただけで遊び方がわかる」「技を競える奥深さがある」という2つの特徴がありました。これ、そのまま「ゲーム&ウォッチ」などの電子ゲームに受け継がれていきます。アナログゲームとデジタルゲームのミッシングリング再発見……てな話はさておき、純粋に懐かしがるのがオススメです。


ちなみに僕は数あるシリーズの中でも、3枚の板を並べてコースを作り、鉄球を転がす「ポケットメイト10 ゴルフゲーム」が好きでした。OBを連発して鉄球がどっかに飛んでいき、みんなで探したっけ……。それぞれのユーザーに、それぞれの思い出があるはず。続編開発の際には、ウェブで人気投票なども期待したいところです。(小野憲史)
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