その時は寝ながら観ているため、当然部屋の明かりは消しているワケで。要するに、テレビからの光だけが辺りを照らしている状態。これがナカナカ良いのだ。意図せぬ間接照明というか。
私と同じ嗜好の人が他にもいたのだろうか。この状況をブラッシュアップさせたような、ちょっと興味深いDVDが発売されている。共栄デザインが製作した、その名も『color light(カラー・ライト)』なるDVDが面白い。
このDVDは、テレビを照明器具に変えてしまう。……どういうことか?
DVDにはグラデーションで変わる色の映像が収録されている。その映像も、段々と色が変わっていくという内容。そして色は時間と共に変わり続けるが、テレビに表示されるのは常に1色。
この特性を用いて、DVDを満喫。たとえば好きな色の状態で一時停止すれば、テレビがその色の光を発する照明器具になる。再生しっ放しにして、色の変化を楽しんでみるのもいいかもしれない。
……と言葉で内容を教えられても、いまいち伝わらないし感動できない。そこで、私も取り寄せて試してみました。
まず、この『color light』DVDをプレイヤーに入れて再生。最初に映ったのは、画面一面に広がるピンク色。イヤ、赤色だった。あれ、オレンジ? ちがう、黄色。ううん、緑色だ。……そうじゃない。あまりにもナチュラルに色が変化しているのだ。
そして、スグにわかった。このDVDを本当に楽しむならば、このままじゃダメ。絶対に、部屋の明かりを消した方がいいに決まっている。
消してみた。……やっぱり。部屋の中でテレビが置かれている一角から、色彩の光が放出される。これが、なんとも神秘的というか。
ちなみに私の好みは黄緑から水色を経て辿り着く、濃い青。ここで、一時停止をしてみよう。そして濃青の光に照らされた部屋を眺めながら、しばし物思いに……。
なんと表現したら良いんだろう。いい意味で眠くなるのだ。静かに時が流れている、マイルーム。
……といった、この不思議なDVD。購入した方からの反響も続々と届いている。中にはカラーセラピストからの「このDVDには癒しの効果がありますよ」なんてリアクションも届けられたそうで。製作者自身は、実はまるっきり意図していなかったという癒しの効能。そんな、図らずもな高評価を獲得している。
この『color light』は、同社のホームページより発売されている。価格は2,520円(税込み)。
最後に、同社のデザイナーである岡本光市さんに伺ってみた。このプロダクトを開発したきっかけは?
「以前、私は音楽のサウンドプロデュースをやっていたのですが、その経験からCDやDVDなどを取り入れた作品を作りたいと思っていたんです」
このDVD、同氏の経歴も頷けるセンスの良さである。
(寺西ジャジューカ)