冬休みも終わり、落ち着きを取り戻した昼間の住宅街を歩いていくと、「駄菓子屋カフェ」と書かれた手書きの看板が目に入る。ドアの奥を覗くと、オーナーの関口さんがさわやかな笑顔で迎えてくれた。オープンしたての店内には、木と簾を使った手づくりの棚に、懐かしの駄菓子が所狭しと並んでいる。『うまい棒 10円』『あんずボー 20円』『よっちゃんイカ 30円』……。見覚えのある商品たちは、値段も品揃えも当時のまま。懐かしさを感じて話を聞くと、なんと関口さんは私と同じ33歳。なるほど、我ら駄菓子屋世代(?)にとって、お馴染みの商品が取り揃えてあるというワケだ。「いや~、でも実はAKBが一番人気でして(笑)」と、苦笑いの関口さん。子供たちの声を反映して『ワンピース』のお菓子も仕入れるなど、イマドキ小学生にも柔軟に対応中だ。
ところでカフェはどこに? 関口さんに案内されて一旦店の外に出ると、隣にカフェへの入口があった。靴を脱いで店内に入ると、そこは、障子から柔らかい日差しが差し込む落ち着いた空間。テーブルは3つ並んでおり、カウンターにはコーヒー豆が数種類ディスプレイされているのが見える。「カフェでは同じ平塚にある『いつか珈琲屋』の本格的なコーヒーが味わえます。地元のお店同士がコラボして作ったお店なんですよね」と、関口さん。カフェには、駄菓子を持ち込むこともできるので、親子連れで来て、子供は駄菓子を、お母さんはコーヒーを味わいながら、のんびり休憩して行くのも良いだろう。開店は昼12時から「日没」まで。このユルさも、なんだかここでは心地いい。