シンガポールの国民的B級グルメが日本に遂に上陸! 日本初の“ホッケンミー専門店”「ヤックマン」が表参道にオープンしました。

と言っても、「ホッケンミーって??」という方がほとんどだと思います。
ホッケンミーを漢字にすると「福建麺」。読んで字のごとく中国は福建省がルーツ。福建省の焼麺料理(焼そばのようなもの)が南に伝播し、シンガポールで独自の進化を遂げたニュータイプの海鮮ヌードルです(※ちなみに、北に伝搬したもののひとつが長崎ちゃんぽん)。米麺と卵麺の2種類の麺を使用し、エビを発酵させた調味料による独特の旨味が特徴。シンガポール国内には屋台をはじめ数多くの専門店が存在し、ローカルから観光客まで多くの人に楽しまれています。

このホッケンミー。実は昨年11月に開催された「東京ラーメンショー」の新人コンテストにおいて、「ラーメンではない」ということから選外になってしまったものの、麺を知り尽くした審査員5名中4名が「味で言えば間違いなく1位」「また食べたい」と大絶賛した逸品です。そんなシンガポールのソウルフードを日本に紹介したいと専門店を立ち上げたのが、オーナーであり、自身も調理を担当する小島限無さんです。

小島さんがホッケンミーに出会ったのは2005年。シンガポール旅行をした際、街の至る所で親しめるこの味に自然とふれあい、ハマってしまってとにかくホッケンミーを食べまくる日々。帰国してからもその美味しさが忘れられなくていつか日本に来ないかなぁと待ちわびていたのですが、いくら待っても日本に上陸する気配はなし。「来ないんなら自分が呼んでしまえ!」とシンガポール大使館まで巻き込んで日本進出を目指します。

その中で出会ったのがシンガポールでもホッケンミーの人気店として有名な「泰豊(タイホン)」。1日6000食を売り上げ、シンガポールに11店舗を展開する人気店です。一般的なホッケンミーの麺が〈卵麺:7割/米麺:3割〉の比率なのに対し、泰豊のホッケンミーは独自の配合によって本場シンガポール人も驚く新食感を実現。この新感覚の味と食感に惚れ込み、「日本で、私に泰豊の支店を出させてくれ!」と交渉し、その熱意が通じて泰豊との業務提携という形で日本進出に成功、ヤックマン開店の運びとなりました。

私もヤックマンにお邪魔してホッケンミーを食べてみたんですが、お皿から立ち上がるエビを中心とした魚介の香りでまずやられます。麺はモチモチでもなく、シコシコでもなく、うーんなんだろうこの食感。プリプリ? これが新感覚麺かぁ。
味付けのベースはフィッシュソースとオイスターソース、そしてエビと魚介を煮込んだスープが特徴。発酵させたエビやフィッシュソースから旨味がスープに溶け出し、芳醇な味わいを生み出しています。そして隠し味にインドネシアのある漁村だけでしか取れない泰豊秘伝の魚粉をちょっと混ぜているのがポイント。ちなみに米麺もシンガポールから直接空輸した本場の麺を使っています。米から作った麺なんだから日本でも作れるんじゃないかと考えたそうですが、日本米だとどうしても粘着性が出過ぎてしまう。
目指す食感はモチモチじゃなくてプリプリ。やっぱり本場と同じインディカ米で作った麺の方が余分な油を吸わず、さらにスープともよく絡むんだとか。
調理のポイントはその麺をまず下焼きするところ。これによって麺に香りづけがされます。その間にスープを作り、出来上がったスープの中にあらかじめ焼いておいた麺を投入し蒸し焼きに。これによってスープと麺がからむとともにあの独特の食感が生まれるんだそうです。

お店の場所は「ヤックマン」と同じく4月18日にオープンして大人気、表参道と原宿の新たなランドマーク「東急プラザ 表参道原宿」の裏手。内装は白を基調にオレンジと緑のショッキングカラーで明るい雰囲気なので女性も入りやすいハズ。東急プラザで買い物した後に、というのもいいですが、テイクアウトもできますので、先に購入して東急プラザの屋上テラス「おもはらの森」で食べるのもオシャレかも。
今年のゴールデンウィーク、忙しくて海外旅行なんてムリ! という方は、ホッケンミーを食べてシンガポール気分を味わってみてはいかが?

◇ホッケンミー専門店「ヤックマン」
住所:東京都渋谷区神宮前4-29-9
営業時間:11:30~20:30(ラストオーダー)※または売切れまで
定休日:不定休
価格:「ホッケンミー」イートイン990円/テイクアウト800円(※麺増量・トッピングメニューもアリ)
(オグマナオト)
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