子供のころはラジコンカーや戦車に憧れて、よく親にねだったものだ。やっぱり男はカッコイイ乗り物にどうしても惹かれる。
おじさんになった今でも実はちょっと興味があったりするのだが、そんな子供時代からの願望を叶えるとてもちっちゃなラジコン戦車がある。しかも、iPhoneやiPadで操作できるというのだ。これはおもしろそう!

それは、「ラジ・コンバット USB 戦車RC」(JTT)。手のひらの上におさまるほどの小ささで、赤外線の大砲で対戦できる世界最小のiPad&iPhone用戦車型RC(ラジオコントロール)だそうである。本物の戦車の雰囲気を残しつつ、デフォルメすることでサイズをより小さくすることを実現。

モデルとなったのは第二次大戦時代のドイツ名戦車「ティーガーI」と、ソ連の「T-34」。
いずれもミニチュアながらリアルに再現されている。最大30度の坂を登ることができ、戦車特有の動きである「超信地旋回(左右のキャタピラを反対に回転させて向きを変えること)」も可能。対戦では赤外線の大砲を撃ち合って、敵戦車砲塔上部のセンサーに4回ダメージを与えると勝利となる。

説明を聞いただけでワクワクする内容だが、そもそもミニ戦車ラジコンを開発した理由をJTTの開発者に聞いた。

「私、戦車が大好きなんです。会社の机の上にもプルバック式の戦車のおもちゃがありまして、何げに触っていたら机の上にあるキーボードや文房具が障害物に見えてきて、その上を自由に動かせたら楽しいだろうなと思ったのが最初でした」

おー、なかなか子供のようなピュアな心から生まれたのですね。
ところで、「世界最小のiPad&iPhone用戦車型 RC」を実現できたポイントは。
「なるべく小さなモーターや精密なギヤなどを使い、部品一つ一つをできる限り小さくすることで、手のひらに乗る程のコンパクトなサイズに機能を収めることができました」

他方、小ささだけでなく、第二次大戦の名戦車たちを再現するのにとくにこだわった部分は何か。
「やはり、ディテールと動きですね。砲塔の形やハッチの位置、さらに障害になる木を切るための斧など細かい部分も再現しました。動きに関しては、とにかく戦車独特のパワフルな動きをが出来るようにしました。よく映画の戦闘シーンで、戦車が坂道を登りきった時の前からガクンと落ちる場面があるじゃないですか。
その動きをこんな小さなボディでも同じように出来るんです、それがとってもカッコイイんです」

「あと、これは絶対したかったんですが、左右のキャタピラを反対に回転することで、その場で戦車の向きを変えられる超信地旋回(ちょうしんちせんかい)の動きができること。また、戦闘を盛り上げるために、大砲を撃ったときのドーンというイメージを、発射後少し後ろに下がる動きで再現し、撃破されたら“やーらーれーたーっ”ていう感じを、戦車がクルクルクルって回るコミカルな動きにしました」

うーん、戦車に対する熱い想いをひしひしと感じる説明だ。

最後に、遊んでみた感想は。
「とにかく対戦が楽しいですね。家の中にある小物を戦場に見立てて、リビングの戦いとか、玄関上陸作戦、など名前をつけて子供と遊んでいます。子供がハマってまして、色々な戦術をしてくるんです。
テーブルの足を盾にしたり、部屋の角から飛び出してきて“ヒット&アウェイ”でキッチンに逃げたりと自分よりよっぽど操縦が上手いですね」

「ほかにも、テーブルの上でピンポン玉を使ったサッカーをしたり、本を逆さに置いてアップダウンにした上でレースするなど色々遊んでいます」
うわぁー、とっても楽しそーである。

私も遊んでみたいぞー。
(羽石竜示)