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電子書籍はマイナー漫画家を不況から救うのか『ナナのリテラシー』

       
まず、なんでもかんでも電子書籍化すればいいわけじゃない。
端末を買うのが好きで、新しいものに積極的。お金がある。本を読む。
これは30代から40代。この層を狙う。
必要なのは、電子書籍データの作成テクニックと、出版社から電子書籍化の権利を取り戻すこと。

宣伝も自らしなければいけない。
ブログの更新、Twitter、Facebook。
多少の煽りも必要。サービスとして1巻が100円、みたいなディアゴスティーニ形式も考えよう。
全部、責任をもって漫画家がやらなければいけない。

売れ線の電子書籍化の話はしていません。
「電子書籍は、よりマイナーな……カルトな作家を救います」
カルト漫画家が、「出版社」になる話です。

にしても、なぜルポ漫画が得意な作者が、あえてフィクションという形式を取り、自分を「鈴木みそ吉」なんてキャラにしたのか。『銭』のように、フィクションにすることで「書いちゃってもいい」免罪符にした部分もありますが、それだけではないようです。
一つはあとがきにあるように、虚と実が混じりあうように、紙と電子書籍が混じりあえばいい、という思いから。
そしてもう一つ。作中で、ヒロインの少女・七海が鈴木に水をぶっかけるシーンがあります。どん底なのがわかっているのに、リスクが大きいと逃げ腰になる鈴木。チャレンジしないでどうすると、厳しく叱咤する少女。
自分に、作家に、出版社に、読者に入れる。七海という仮想のキャラが必須だったのです。

え、漫画家がみんな独立したら、出版社の方の未来ないんじゃないのかって?
それは読んでみてのお楽しみ。

この『ナナのリテラシー』一巻も、Kindle版の出版社名は「鈴木みそ; 1版」。紙媒体の方は「ビームコミックス」になっています。
あとはぼくらの選択ですね。
さあ、どちらを買うか。


鈴木みそ『ナナのリテラシー』
Kindle版
(たまごまご)

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