争議行為が正当性を有しないと判断された場合は、理論上刑事責任や民事責任に問われる可能性がある。また、違法争議行為に対して懲戒処分を科すことについては、判例・学説ともに肯定説が多数であるという。

なお、賃金は労働の対価とされているので、欠勤・ストライキ等を行った労働者に対しては、提供されない労働に対応する賃金をカットすることが認められている。(「ノーワーク・ノーペイの原則」)
仮に、組合員の一部だけがストをしたことにより、他の組合員の就労が不能となり休業した場合は、ストに入っていない組合員も賃金はおろか休業手当も得られないという判例もある。(ノースウエスト航空事件・最高裁昭和62年7月17日判決)

今回のように中心となる責任者(責任団体)が不在のまま煽動された「ストライキ」によって、仮にすき家店舗の大部分が営業できないという事態に発展したとしたら、従来の基準では何らかの法的措置が行われていた可能性は十分にあると言える。

ところで、一部では今回の騒動を「新しいタイプの労働運動」と評する向きがある。
この「新しさ」は、主にネット(なかでもソーシャルメディア)発の「争議行為」であったことに由来すると思われる。

評価された例としては、2010年代前後からのネットを利用した政治的運動が挙げられよう。日本でも東日本大震災後に行われた大規模な「反原発デモ」の動員にツイッターなどが活用されたことは有名だ。

SNSを通じて行われた最初期の運動としてよく挙げられるのは、2009年のモルドバ、イランでの抗議デモおよび民主化運動である。翌年2010年からの「アラブの春」、特に2011年のエジプトの革命などにはフェイスブックやツイッターなどが貢献した。

この記事の画像

「「すき家」ストライキ騒動はなぜ燃え上がり、そして不発に終わったのか」の画像1 「「すき家」ストライキ騒動はなぜ燃え上がり、そして不発に終わったのか」の画像2 「「すき家」ストライキ騒動はなぜ燃え上がり、そして不発に終わったのか」の画像3