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替え玉? 自殺? アメリカの謀略? 戦後最大級の未解決事件・下山事件2

しかし夕暮れ時に外で見たのならともかく、男に何回か間近で顔を合わせ、言葉も交わした女将が、下山本人かどうか見抜けないということがあるだろうか。事件から56年を経て発表された、柴田哲孝『下山事件 最後の証言』(2005年。のち07年に完全版が刊行されている)は、それに一つのヒントを示した。女将は誰かに頼まれて、“偽証”したのではないか、というのだ。

柴田がその論拠としたのは、ほかならぬ彼の祖父宛てに女将から1949年から彼女が亡くなる59年まで毎年、年賀状が届いていたとの事実である。そもそも柴田の取材は、この祖父が下山事件に関与していたかもしれないと親類から聞かされたことから始まった。祖父の勤めていた亜細亜産業という会社は、GHQのキャノン中佐と深いかかわりを持ち、その下請け機関として数々の非合法工作に関与していたというのだ。先の女将からの年賀状も、亜細亜産業の下山事件への関与を示す証拠、ということになる。

代表者の名前をとって「矢板機関」とも呼ばれた亜細亜産業の存在がクローズアップされたのは、柴田の著書が初めてではない。その少し前、1999年に「週刊朝日」で連載されたドキュメンタリー映像作家の森達也らによるレポートで初めて、事件への矢板機関の関与が示唆された。その後、同連載に取材協力した社員記者の諸永裕司が『葬られた夏 追跡 下山事件』を、さらに森達也が『下山事件(シモヤマ・ケース)』を発表、いずれも連載の内容を発展させたものであり、そこで情報源として登場する「彼」こそ柴田であった。

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