NEWSのニューシングル『KAGUYA』が1月7日に発売された。タイトルにあるとおり竹取物語のかぐや姫をモチーフにした楽曲で、姫に想いを寄せる切ない恋心を男性目線で歌ったラブソングだ。


恋愛ソングはたくさん歌ってきたけれど、これまでの作品とひと味ふた味も違うのは、今回ジャケット写真をはじめミュージッククリップの撮影は蜷川実花が手がけたこと。メンバーの手越は「ずっと蜷川さんに写真撮ってもらえないですかってずっとお願いしていた」と話すなど、メンバー待望のNEWS×蜷川実花のコラボ。

赤、紫といったビビッドな色使いなど蜷川作品を印象づけるものはいくつもあるが、和装もその一つ。実は和物のPVを撮るのは初めてという蜷川監督。「この為に企画を取ってあった」というちょっと意外なエピソードに運命を感じてしまう。

さて蜷川ワールドに飛び込んだNEWSはというと、それはもう“妖艶”の一言に尽きる! 御簾の後ろで踊るシルエットからスタートするPV。着物を着崩した衣装に、和傘を使ったダンスで指の先まで美しいのびやかな振り付けが新鮮だ。しかも手に持つ和傘を女性に見立てていると聞けば、冒頭の御簾のシルエットからしてエロく思えてくる。特にミステリアスだったのが加藤シゲアキ。小説家の肩書きも持つ男、着物を羽織って花を愛でながら、頭の中ではどんな言葉が浮かんでいるのか……。

蓮の花が咲く浅い池に横たわるシーンでは、水に濡れてはだける服、シャツのボタンを閉めずに胸元が全開の小山慶一郎。笑顔がチャームポイントの増田貴久も笑顔を封印。
目を細めて水にぬれる姿は大人の色気がたっぷり。こんなまっすー見たことない! 王子様キャラの手越祐也は鋭い視線で獲物を狙うような肉食ぶりを発揮。みんなそれだけでもエロさたっぷりなのに、時折見せるかぐや姫を思う悲しげな表情……。これだけのいい男に言い寄られるかぐや姫がうやらましい。

制作段階からずっと「妖艶」というキーワードが出ていたというが、歌詞はかぐや姫に想いを寄せて、強く出たい部分と自信を失いかけている男心の描写があるもののエロさはない。言葉にしていないのに、視覚からエロさを感じるところがすごい。この映像は初回限定盤Aに付属のDVDで楽しめる。

今年でデビュー12周年をむかえるNEWS。1月8日放送の『櫻井有吉アブナイ夜会』(TBS系)に小山と加藤が登場し、苦労話を打ち明けた。活動休止期間はNEWSという言葉を口にすることも禁止されていたこと、グループ存続の危機に晒されていたことを涙ながらに語った。存続に否定的な意見が多かったこと、「イチゴがないスポンジケーキ」「具のないおでん」などと揶揄されることもあったという。

加藤は「苺のないショートケーキって言われたけど、スポンジケーキもうまいから。
最高のスポンジケーキになってやろう、最高の生クリームになってやろうって思う」と当時の心境を語った。

4人体制で再出発したときにリリースした『チャンカパーナ』以降、FIFAクラブワールドカップジャパン 2012のテーマソング『WORLD QUEST』、日本テレビ系『ブラジル2014』のテーマソング『ONE -for the win-』と、スポーティーな楽曲が続いたが、一転して恋愛ソング『KAGUYA』をリリース、どれも耳に残るインパクトのある楽曲が新生NEWSの特長だ。悔し涙を流した分、本当に力が入っている。
(柚月裕実)
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