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80年代の立川談志が聴けるたまらない音源

       
談志「2人参同者がいましたな」
小さん「いろんなことをやってみたいと。だから、参議院も、衆議院もね(注:談志は1969年に衆議院議員選挙に出るも落選。1971年に参議院議員選挙で雪辱を果たした)。どうしてそんなものになりてぇんだ、っつったら、一度はあん中に顔突っ込んでみたいと。何しろ好奇心がこのね、強いんですよね。で、今度は出てなんか自分でやってみて、で、うまくいきゃあいいし、まずくいったらまた戻ってくりゃいいし、ま、一応、やりたいって言うからやらしておきます」

もともと東京には落語協会と落語芸術協会の2つの団体があり、寄席出演を交互に務めていた。このうち層が厚いのは落語協会の方であり、これを2つに分ければ月のうち20日間を落語協会、10日間を落語芸術協会が取って優勢になる、という案を談志は小さんに説き続けていたのだという。おそらくこの時点は、その延長線上での行動だと師匠には説明していたのではないか。
しかし後に小さんは談志を破門、公には復縁することなく2002年に87歳で没した。立川談春『赤めだか』(このたび二宮和也主演でドラマ化される)によると、雪解けの機会はなくもなかったそうなのだが、実現はしなかった。復縁といってもそれぞれの立場があったはずで難しかったとは思うが、このときの録音を聴いていると決して別れる運命の師弟とも思えない。なりゆきとはいえ、残念なことである。

録音は50分超に及び、最初は師匠と兄弟子の会話に口を挟みにくそうにしていた小三治も、だんだん口数が増えてくる。談志との息もぴったりで、「兄さん」と呼びかけるのがなんともいい。「頼むな」と兄弟子に言われるまでもなく小三治は小さんの3代後の落語協会会長に就任して4年間務め、師匠と同じ人間国宝にまでなっている。小三治は小さんが真打昇進時に名乗っていた高座名である。談志も襲名を希望したが、人柄に問題ありとして小さんが許さなかったというエピソードがあるが、この鼎談の中でもそれについて触れられているので、ぜひ聴いていただきたい。

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