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嵐のはつ、快晴のあさ「あさが来た」26話

       

運命の嵐に翻弄されるはつ


はつは本当に複雑なものを背負っている。
長屋にやってきて、「なんも気いつかんと堪忍してな」とか「なんで相談してくれなかったのか」とか、うちに何かできることがないかと嘆くあさをはつが「顔も見たくない」と冷たく追い返したのは、「うちが合わせる顔があらへんのや」という気持ちから。
薄い1枚の障子をはさんで、あさとはつの顔が交互に映る。
ほんの少しのボタンのかけ違いから、運命が変わってしまった姉妹。
おのれの運の悪さへの絶望や疑問、妹に気を遣わせてしまう自分の状況への嘆きや悔しさ。とはいえ、妹を大事に思っている気持ちは変わらないから、引き裂かれていく痛み。
宮崎あおいの嵐のような凄まじい表情をカメラがしっかり捉えている。

ただ、彼女も夫の惣兵衛も、舅も姑もとくに策もないまま店を倒産させてしまったわけで、同じお金を借りるにしても、あさはビジョンや覚悟をもっている。単に運が良い悪いではなく、現実の厳しさを突きつけてくる脚本だ。

生きるために、次々策を巡らせていく良い例が五代。
大阪府権判事になった彼は、大阪弁もマスター。英語も使い、洋装もして、どんどんアイデアを考えて、ひとを巻き込んでいく。「けったい」と言われても気にしない。
外国で仕事をしてきたディーン・フジオカの演技は決して巧いとは言えないが、彼の発する熱量の高さが、時代を変えていく人間らしく、画面を輝かせる。
あさの波瑠も同じで、このドラマでは、あさと五代が快晴の日の太陽のように徹底して明るい。朝ドラのヒロインの最重要ポイントだ。
(木俣冬)

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朝ドラ「あさが来た」

朝ドラ「あさが来た」

幕末から明治、大正の時代に活躍した実業家・広岡浅子を波留が演じた。1988年に出版された古川智映子の『小説 土佐堀川』を原案とし、大森美香が脚本を手掛けている。2015年9月28日〜2016年4月2日放送。

2015年10月28日のレビュー記事

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