脚本:中島丈博 演出:藤木靖之

世奈子の真の目的は?
もうひとりのぼたん・富貴子(黛英里佳)が登場して、一気にドラマが加速するかと思ったら、火曜日17話は、もう一回、これまでのおさらいみたいな感じ。
まず、世奈子(田中美奈子)に激昂させて、ストーカー殺人されたぼたんが、世奈子の子供であることを強調。現・小日向家の奥様・眞澄(伊藤かずえ)は、世奈子から、実の子ではないぼたんをそれほど愛してなかったのだと責められ、激しく動揺。その流れで、ずっと隠してきた、十代の時、妊娠して、その子を養子に出したことを夫・崑一(岡田浩暉)に吐露してしまいます。
その頃、問題の子供・富貴子は、出世の秘密を知る医者(西村和彦)のいる産婦人科に向かいます。
全然物覚えが悪い老人に見えない西村和彦が、自分が名前をつけた子だと思い出し、ここまでの登場人物相関図が見てない人にもだいたいわかりました。
そしてオーケストラの大仰な音楽が流れ、いよいよきょうから凄いことが起るのでしょうか。
……と毎日毎日、いよいよ? いよいよ? とお預けされっぱなし。今回の昼ドラは、じらしプレーなんでしょうか。
種はいろいろまかれているんですよね。
世奈子が、本来、美輪子(逢沢りな)が殺されるべきところを、ぼたんが犠牲になったにもかかわらず、ぼたんの醜聞のように世間では思われてやりきれない気持ちなのは。でも、それも、母親の情なだけではなく、お金が絡んでいるような気が・・・。
それと、実はほかに子供がいたという眞澄の告白を聞いた崑一が、そのまま心広く水に流してしまうものだろうか、という心配も。
とにかく、親の因果が子に報い、の壮絶な展開、早よ〜。
17話で笑ったのは、西村和彦(役名は稲垣医師ね)の跡を継いだ産婦人科医についている看護士が、第一話の大河内奈々子と小沢真珠みたいに、隅にいてもやけに目立つ超美女ではなかったこと。こちらの跡継ぎは地道にやってるようですね。
ところで、マダム・ヨナのヨナの名前って、旧約聖書の予言者ヨナとは関係ないんでしょうか。
(木俣冬)