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庵野対東宝、エヴァと並べた決断、掟破りの「シン・ゴジラ」山内章弘プロデューサーに更に聞く

どうして死体を描かなかったのか?


──最後にもうひとつ。これは最近の映画やドラマの傾向かもしれませんが、人間が死ぬ(肉体が損なわれる)直接的な表現がなく寸止めです。これは全体の決めごとですか?
「これは庵野イズムなのかもしれないですね。確かに、血が出ているところがいっさいないですよね。それは東宝としてのゴジラのルールではないです(ライター注:過去作では肉体に被害が及び死に行く姿が描かれているものもある)。質問とずれるかもしれませんが、今回は、3.11以後の日本というのが結果的にすごく意味を成しています。脚本をつくる段階では、リアルシミュレーションではあるが、架空の日本というか震災を経験していない日本を舞台にするゴジラだという案もあったんですよ。ただやっぱり、リアルシミュレーション映画としていまの日本のお客さんに観てもらうにあたって、震災が起っていない日本は想像しにくい。やっぱり震災を経た日本にゴジラが現れた、その上で我々はどう対処するかを描いたほうが観客の感情移入がしやすいと考えました。結果そうして良かったと思います」
──庵野さんがリスペクトする岡本喜八監督の「激動の昭和史 沖縄決戦」(71年)や「日本のいちばん長い日」(67年)では血が出るとか肉体になんらかの変化のある死の瞬間を描いていますよね。
「そうですよね。その2作を参考にされていたのは、有名な話ですし、実際打ち合わせ中もたびたび言及されていました。それと『未知への飛行』(63年)の話もずいぶん出ました。ひとつの大きな出来事を描く時に明確な主人公を立てるというよりは、大勢のひとが各々の視点で巨大生物が現れたというとんでもないできごとに立ち向かっていく話を描こうとしていたのは確かです」

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