脚本:渡辺千穂 演出:梛川善郎

ほなみんな元気でな(五十八)
105話はこんな話
静かに眠る五十八(生瀬勝久)の枕元に家族が勢揃いして思い出を語り合う。
五十八が目覚めたとき、はな(菅野美穂)の声がして・・・。
「わしはもうすぐそっちへ行くんか」「はい」「そうか」
五十八とはなの会話は、言葉少ないが、だからこそわかり合っている感じがした。
死の間際、先にあの世に行っている生前親しかった人物が迎えに来ることがある。ほんとうにそうなのか、朦朧とした意識が見る幻なのかわからないが、体感として死がわかるのかなあと思う。
はなは「いつも見てましたよ。男手ひとつで子育てをよう頑張ってくれました」とねぎらう。
はな「お母様もいます。お父様もいます」
五十八「そうか」
野上(名倉潤)もいるよね、きっと。
お父さんの遺言
五十八の寝ている部屋で、家族がそろって語り合う状況がいい。五十八も寂しくないだろう。話の内容が、忠さん(曾我廼家文童)の喜代(宮田圭子)に対する淡い思いだったのも和む。
そんなだから、医者には病院に入ったほうがいいと言われるも、五十八は生まれた家にいたいと言う。
はなと語らって覚悟ができたのか、ひとりひとりに語りかける五十八。
潔には「絶対焦ったらあかんで。
紀夫には「すみれと一緒になってくれてありがとう」とお礼。
正太には「真っ直ぐで明るくてええ子や」と褒め。
忠さんには「長いこと ほんま 長いこと ありがとう」と感謝(かなり想いがこもってた)
喜代さんには「娘らの母親代わりになって頂いて感謝しています」とお礼。
ゆりには「ほんまにええお母さんや いまのおまえは優しうて、強うて、はなそっくりや」大絶賛。
すみれには「おまえの人生は輝いてる」大絶賛。
さくらには「お前のお母さんが誇らしいんや。さくらにも光り輝く人生を送ってほしい」最も心配だろう。
長太郎(本田博太郎)もゆり(蓮佛美沙子)も涙が堪えられない。こういうとき、ぐっと我慢するパターンもあるけれど、すみれをはじめとして坂東家は涙もろい血筋のようだ。
とにかく、わーー、五十八さん、死なないでーー。とばかり思った105話でした。
(木俣冬)