旺太郎 バ~カ。俺が本気で100億に惚れたと思ってんの? 自慢じゃないけど、俺は酒には溺れても女に溺れたことは一度もないよ。愛なんか求めるから人は不幸になるんだよ。感情を持たないからキスが武器になるんだよ。
キスを人生を変えるための手段としか考えていない堂島旺太郎(山崎賢人)に対し、キスする度に乙女になっていく佐藤宰子(門脇麦)。2人が交わすのは契約に則ったドライなキスのはずだが。
第6話あらすじ
2月11日放送『トドメの接吻』(日本テレビ系)第6話では、異変が発生している。キスで起こるはずのタイムリープが起きなかったのだ。(関連)

旺太郎は興信所の根津功一(岡田義徳)を使い、並樹尊(山田明郷)が尊氏(新田真剣佑)の罪を揉み消すため関係者に手を回していたことを突き止める。
その内の一人が、クルーズ船の運営会社を営む長谷部寛之(佐野勇斗)の父親だ。旺太郎は沈没事故の証拠のビデオテープのコピーを探すよう、長谷部を脅迫する。
1週間後、帰国した旺太郎を待っていたのは長谷部が海で亡くなったというニュースであった。
乙女な門脇麦と、怒れる山崎賢人
長谷部の自殺を食い止めるため、旺太郎は時間を遡った。しかし、失敗する。
宰子の中で、キスには「タイムリープの手段」以外の意味が含まれている。不意に見せる優しさに惹かれ、宰子は旺太郎に愛が芽生えたのだ。鏡に向かって笑顔の練習をしたり、唇のガサガサを気にしてキスを嫌がったり、雑誌で紹介された“愛されルージュ”を試したり……。恋愛感情はダダ漏れだ。
旺太郎の優しさに感動したと、彼女は本人に打ち明けている。
宰子 話したよね? 事故に遭ってこんな風になった(普通のキスができなくなった)って。
旺太郎 助けてくれた子どもたちが死んじゃったんだろ?
宰子 だから自分は幸せになっちゃいけないと思ってたけど、あなたが「幸せになっていい」って。それが、すごく嬉しかった。
事故のどさくさで、宰子の手元に残ったのは「光太」の名前が書かれたシューズ。宰子の手から何気なくそれを掴み取った旺太郎はフリーズする。
「なんで、お前が光太の靴持ってんだよ?」
助けてくれた男の子、即ち旺太郎は生きていた。「良かった……」と唇を震わす宰子と旺太郎には温度差がある。
「良かったって、何が? 何が良かったんだよ!」
宰子は生き地獄のような日々を送る原因を作った女。光太が死ぬ原因となった女。その事実が、旺太郎の中で明らかになった。
「お前を助けたばっかりに……。あの時、お前を助けたりしなければ!」
宰子を押し倒し、タイムリープのためのキスを迫る旺太郎。
「お前は光太から命をもらったんだよ。お前は俺に何ができる? ……償え」
第5話では通じ合うキスを交わしていたのに、今回のキスには憎しみの感情が含まれている。前回とはまるで異なる、悲しいキスだ。
再び宰子を救った旺太郎
7日前に遡った旺太郎が駆けつけると、テープ強奪を狙う何者かに長谷部は襲われていた。長谷部は自殺したわけではなかったのだ。
このタイミングで、宰子が現れる。そして、己の体を盾に男の前に立ちふさがる。宰子は、旺太郎から「お前は俺に何ができる?」と言われたばかりだ。
しかし、男は凶器を持っている。旺太郎は「逃げろ!」と宰子を跳ね飛ばし、自らで攻撃を受けた。12年前の事故と同様に、宰子を助けたのだ。
血を流し倒れる旺太郎に駆け寄り、キスをする宰子。タイムリープすれば、まだ大丈夫なはず! しかし、何も起きない。
「あれっ、どうして? ……戻ろう! ねえ、ねえ。戻ろうよぉ」
なぜ、この時のキスでタイムリープしなかったのだろう。まず思い浮かぶのは「旺太郎はすでに死んでしまっており、キスしてももう戻れない」。
「何度も同じ時間を繰り返すと元の出来事が抵抗して、自分に降り掛かってくるんだって」
ひょっとして、タイムリープし過ぎたか? もしそうだとすると、旺太郎は“7日前に戻れるキス”を失ったことになる。
この仮説を進めると、旺太郎とのキスの意味合いは変わる。キスに他意が含まれない。宰子は、好きな男と普通にキスができるようになったのだ。
今夜の主役は門脇麦
第7話は、宰子が主役だ。旺太郎を救い出すため、彼女は奔走する。救出手段は、やはりキスのはず。
旺太郎とは不可能でも、他の者とならタイムリープできるかもしれない。誰かとキスをして、7日前の旺太郎を危機から回避させれば良いのだ(事実、宰子は初恋男性とのキスでタイムリープを経験している)。問題は、誰とキスをするのか? ということ。
次回は、言わば“佐藤宰子編”である。
(寺西ジャジューカ)