ZONEが解散した理由とメンバーの現在  「secret base ~君がくれたもの~」でヒット
画像出典:Amazon.co.jp「secret base ~君がくれたもの~

可愛い女の子がギターやベースを掻き鳴らし、華麗なスティック捌きでドラムをたたく…。そんな、アンバランスな構図が魅力のロックバンドとアイドルを掛け合わせた「バンドル」なる存在。
2010年代、アニメ『けいおん!』のブームを沸点に、SCANDAL、Silent Sirenなどが人気を博し、AKB48の楽曲『GIVEME FIVE!』では、選抜メンバー全員がバンド編成で楽器を演奏しながら歌ったことでも話題を呼びました。この「バンドル」の元祖といわれているのが、2000年代前半に一世を風靡したZONEです。

『キッズ・ウォー』の主題歌で一躍脚光を浴びる


彼女たちがデビューしたのは、2001年のこと。同年8月8日にリリースした『キッズ・ウォー3 ~ざけんなよ~』(TBS系)の主題歌『secret base ~君がくれたもの~』の大ヒットによって、一躍、メジャーアーティストの仲間入りを果たしました。メンバーは、MIYU、TAKAYO(2004年に脱退して、代わりにTOMOKAが加入)、MAIKO、MIZUHOの4人。中学1年生から高校1年生までの若年層で構成されたガールズユニットでした。

同時期に活躍したWhiteberryと似ていた?


北海道出身のガールズバンド、しかもサマーソングでブレイクしたという共通点から、ZONEデビューの前年にあたる2000年に、JITTERIN'JINNのカバー曲『夏祭り』で人気に火が付いたWhiteberryを連想した人は当時、少なくありませんでした。が、Whiteberryはティーネイジャーのガールズバンドであって、決して、アイドルユニットではありません。それに対してZONEは、「バンドル」を謳うだけあり、アイドル感満点の洗練されたルックス。この時は、よくこれだけ可愛くて、楽器も弾きこなせる15~6歳の女の子たちが集まったものだと感心したものです。

デビュー当時は「エアバンド」だった


しかし、後に調べてみると、Whiteberryがもともと小学生時代から一緒に活動していた地元のバンド仲間だったのに対し、ZONEは芸能養成スクールの選抜メンバー。つまり、「バンドル」というコンセプトありきで、業界のプロが選りすぐった金の卵だったわけです。

そんな背景ゆえに、ZONEのメンバーはタレントとしての素質は十分でしたが、楽器の演奏力が皆無だったため、デビューしてしばらくはエアギターやエアベースの「エアバンド」として活動していたのだとか。ゴールデンボンバーが2009年10月に『女々しくて』でブレイクする8年以上前ですし、エアギターが流行するのもずっと後ということを考えると、すごい先見の明です。

2005年4月に人気絶頂のまま解散


その後、個々人が楽器のスキルを磨き、実際に演奏もこなすようになって初めてリリースした楽曲こそ、先述の3rdシングル『secret base ~君がくれたもの~』でした。同曲の70万枚を超える大ヒットによって、3年連続紅白歌合戦出場を果たし、『secret base』以降のシングルも軒並みオリコン10位以内を獲得するなど、順調な歩みを見せていたZONEですが、2005年2月、2代目リーダー・MIZUHOの脱退を表明。
それに呼応するカタチでメンバー全員の総意によって解散が決定し、4月1日、日本武道館にて卒業コンサートをもって惜しまれつつもZONEはその活動にピリオドを打ったのでした。

2011年に再結成するも、結局、散り散りに…


「10年後の8月 また出会えるのを 信じて…」

『secret base』の歌詞の通り、結成から10年後の2011年8月に、芸能活動休止中だったMIZUHOを除く、MIYU、MAIKO、TOMOKAの3人で再結成したZONE。しかし、同年10月末にTOMOKAが体調不良を理由に芸能界を引退すると、2013年2月にはMIYUが「素行不良」を理由に事務所を解雇、これによってZONEはMAIKO一人だけに。同年4月の「ZONE FINAL EVENT」にて、MAIKOだけが参加し、グループの活動に幕を下ろすという、なんとも、悲しすぎる結末を迎えてしまいました。そのMAIKOも、ZONE以外でバンド活動をしていたものの、音楽の道を離れ、今ではヨガのインストラクターとして芸能界に復帰している。

(こじへい)
編集部おすすめ