第2週「…会いません、今は」 第9回10月10日(水)放送より
脚本:福田 靖 
演出:渡邉良雄
音楽:川井憲次
キャスト:安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平、
     桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子、橋爪功ほか
語り:芦田愛菜
主題歌:DREAMS COME TRUE「あなたとトゥラッタッタ♪」
制作統括:真鍋 斎
「まんぷく」9話。萬平さんの魅力に対抗するのは、白馬に乗った牧善之助だ
連続テレビ小説 まんぷく Part1 (NHKドラマ・ガイド) NHK出版

連続テレビ小説 まんぷく Part1

8話のあらすじ


咲姉ちゃん(内田有紀)が結核にかかり緊急入院。福子(安藤サクラ)は心配で、萬平(長谷川博己)に、しばらく会えないと言う。

半分、青いがじわじわ来てる


「私のなかで『半分、青い。』の余韻がじわじわと来ているんですよね。
私だけですかね」
「おはよう日本」(関東版)の高瀬耕造アナの今日のコメント。ほかのアナウンサーたちは軽くいなした。
昨日は「ひよっこ」続編の発表があったので、ここは「ひよっこ」好きだった高瀬アナ、そちらを言及してほしかった。
高瀬アナは「ひよっこ」の有村架純、「わろてんか」の徳永えりのことをやたら推していた過去もあり、
かわいい俳優が好きなのかもしれないと考えるのは短絡的だ。そういうことではなく、きっと高瀬アナは「半分、青い。」はぶっ飛んでいたが、「まんぷく」はずいぶんとオーソドックスだなあとその落差に戸惑っているのではないだろうか。
いまのところ高瀬アナに夢中にさせることができていない「まんぷく」だが、視聴率は、21.3%(ビデオリサーチ調べ 関東地区)と好調。土曜日、祝日も20.3%と未だ10%台に落ちていない。
とにかく手堅いとしか言いようがなく、指摘されそうな穴はみごとに潰してある脚本と、感情や状況をしっかり伝える俳優によって、視聴者を離さないのだろう。

「どうしてそろいもそろってうちの娘たちは男運が悪いのよ」


トントン拍子に恋がうまくいくかと思わせた福子と萬平だが、いくつかハードルが登場する。
母・鈴(松坂慶子)の反対と、姉・咲の病だ。
とりわけ、咲の結核はかなり進行していて治ると断言できない状況。
最初の病院では「風邪」と言われたのがいけなかった。

姉が心配で、ホテルに仕事の打ち合わせに来た萬平にちょっとつれなくする福子。

保科(橋本マナミ)が気を利かせてくれたおかげでちゃんと理由が説明できた。

結核専門の医者を探すと申し出てくれる萬平だが、鈴は彼との交際を猛反対。
「どうしてそろいもそろってうちの娘たちは男運が悪いのよ」と嘆く。

そこへ、牧善之助(浜野謙太)が白馬・蘭丸に乗って訪れ、漢方薬をくれる。
この人と結婚すればよかったのか。でも確か、背が低いからだめと言ったのは鈴ではなかったか。
心配し過ぎてあれもだめこれもだめって言う人、いるいる。

それにしても牧善之助、すっかり馴染んだ。
馬にうまく乗れないところがやっとたっぷり映ったが、最初からそれを出さずに小出しにしているところがニクイ。

善之助、歯医者だけど医者なんだから、医者ネットワークでいい結核の医者、知らないのだろうか。

粉雪舞う〜


結核の専門医がみつかったと夜分にやって来た萬平に、鈴はつれなく当たる。
ところが萬平は毅然と、
「お姉さまがお元気になられたら僕は福子さんに結婚を申し込むつもりです」と宣言。

じわじわする劇伴が流れ、福子はそれだけ言って去っていく萬平の背中を見送るのであった。
ちらちらと舞う粉雪が効いていた。
萬平さん、頼りなさそうで一度決めたことは貫くタイプらしい。

振り返ると、このドラマ、立花萬平という人物がひたすら魅力的に描かれ続けているだけである。これで高視聴率が続くのだからすごい。
目下、彼の魅力に対抗できるのは、牧善之助だけ。
こっそり福子と萬平の様子をのぞいて臍を噛む野呂(藤山扇治郎)も捨てがたい。
(木俣冬)

連続テレビ小説「まんぷく」
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~

朝ドラ「べっぴんさん」もBS プレミアムで月〜土、朝7時15分から再放送中。 
「まんぷく」8話のレビューで、真田ゆかりの茶臼山と、お姉ちゃんの運ばれた「真田山病院」について書いたが、偶然、「べっぴんさん」の9話レビューでも「真田丸」を思い出す箇所があった。
「べっぴんさん」第9話レビューはコチラ
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