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「サギデカ」「私ね、犯罪者の娘なのよ」加害者への思いやりと同情は違う。木村文乃の危うい涙が示した3話

両親に「あなたがいてくれて良かった」と言われたくて、父親と同じ詐欺というかたちで家族を支えてきた福田。一方、今宮は自分が詐欺師の子だと知って、かえって自分を強く律するようになる。

今宮「両親のことを考えると、罪を犯す者にも道理があるって思ってしまいたくなるから。警察官は、罪は絶対的に憎まなきゃいけない。犯罪者に道理なんかない。絶対に許されない」

これまでずっと、今宮は涙もろい女として描かれてきた。振り込め詐欺の掛け子・加地颯人(高杉真宙)の生い立ちを知ったときや、詐欺被害者の苦しみを思ったとき。加害者、被害者問わず、犯罪に関わる者を思って涙を流してきた。

上司の手塚賢三(遠藤憲一)が言うように、それは今宮が情に厚い人間だからという理由もある。だが、犯罪者の娘だとわかったことで、その涙には加害者である自分や両親への憐憫や擁護の気持ちが混ざっている可能性があると今宮は気づいてしまったのではないか。

情に厚いだけならば、犯罪者にも道理があると思う自分をそこまで律しなくても良いはずだ。情に厚いとは、目の前の相手を思いやる気持ちの強さだから。NHKスペシャル『詐欺の子』(NHK総合)やドラマ『スカム』(MBS/TBS)、本作などの振り込め詐欺ドラマを見て「振り込め詐欺の加害者たちにも、そうなる理由がある」と知った人も多いことだろう。そう認識すること自体は、間違っていない。

しかし、詐欺師たちに思いやりを持つことと憐れみや同情心を抱くことは違うと、本作は「詐欺師の娘」という立場の今宮を通して示す。彼ら加害者の背景に思いを馳せることと、かわいそう、仕方なかったんだと罪を軽く見てしまうことは違うのだと。

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