We♡SMAP #2|チョコ140トン、『夢がMORI MORI』スタート!1992年のSMAP
イラスト/おうか

ずっとSMAPが好き♡ SMAP特集

1992年のSMAPのリリース作品は、3月18日『心の鏡』、7月8日『負けるなBaby! 〜Never give up』、11月11日『笑顔のゲンキ』、12月12日『雪が降ってきた』のシングル4作に、アルバムは1月1日『SMAP 001』、8月26日『SMAP 002』と、テンポ良くリリースが続いた。

【前回レビュー】We♡SMAP #1|祝・デビュー30周年!「ファンの子の声援が一番のエネルギー」(中居正広)

4月に『夢がMORI MORI』(フジテレビ系)がスタート。ジャニーズとしても、アイドルとしても珍しいバラエティ番組にレギュラー出演した。


先輩には社会現象になるほどの人気を博した光GENJIがいて、90年代になると音楽番組が相次いで終了。インターネット普及前の、テレビ番組の露出量がカギを握っていた時代。歌番組に頼らない活躍の場を求め、たどり着いた夢MORI。キックベースにコントにと芸の幅を広げ、SMAPの輪郭を形作っていった。

91年の振り返りと抱負語るSMAP

●『明星』1992年2月号
「ナマ意気でいこーぜ!NEW YEAR」と題して、袴を着た6人がオープンカーではしゃぐ姿。凧を手にした木村拓哉香取慎吾。香取はミュージカル『聖闘士星矢』が91年のいちばんの思い出と語る。そして、メンバーに対してだけ天狗になっていたと回顧。中居正広稲垣吾郎にタメ口をきいたことを反省。「テングになって、鼻がボヨーンと2メートルくらい高くなっちゃったから、92年は謙虚な香取慎吾でいきます。へへ」。2メートルという規模感がかわいい。背丈はすっかり木村と同じくらいに伸びていた。


隣の木村。91年を振り返って、デビュー、ミュージカル、そして19歳になったことを挙げた。11月13日に誕生日を迎えたばかりの木村。20歳を見据えて「ウィーン少年合唱団の一員の心境だね」。そしてSMAPの活動にとどまらず、「ひとりの男“木村拓哉”として勝負するよ!」と宣言。この頃からグループ活動と平行して個人としても名を馳せたいと志していた。

続いて竹馬にのった森且行稲垣吾郎。森は91年元旦の武道館コンサートを挙げて、「泣きましたねー!」。そこから目まぐるしく忙しい日々が続いたと回顧。歌もバンバン売ってドラマにも出たいと抱負を語る。「ドラマにも出てみたいな。ひとりで出演するのも増えればれいいなー」
森はこの3月で高校を卒業。

おでこにシワを寄せて、どこかぎこちない様子で竹馬にのる稲垣。91年の反省は「数え切れないんだよー!」。他のメンバーも語っていたが、一気に多忙になったことが伝わってきた。「“反省はしても、後悔せず”でやっていきたい」と芝居をコツコツやるのもいい、とも。

ねじったタオルを頭に巻いた中居正広。袴の裾をたくしあげている。やんちゃな表情とは対照的に、「いいことがありすぎてバチがあたるんじゃないかって思うよ」。握手会について「ファンのみんなに触れ合えるときが、いちばん楽しいね」。感激した!と語った。「個人活動はもちろんしたいけど、その前にSMAP自体を大事にしたい。“SMAPの中居”としてがんばるよ!」
リーダーらしい中居の言葉だ。

袴にアメフト用のヘルメット姿の草なぎ剛。改めて見ると、凧あげ、竹馬まではわかるが、中居と草なぎは謎な展開だ。1日3回公演だった元旦の武道館コンサートでは、脚がつりながら挑んだという草なぎ。「本番でファンの歓声を聞いたとたん、ピコピコ動けちゃう。あの不思議な感じがすごく良かったんだよね!」。やる気がないようにみられがちだとして、92年の抱負は「とにかくガムシャラに、ダダダーッてがんばるしかないんだけどね!!」

1月1日に武道館5回公演を行うハードスケジュールなSMAP。これも若さゆえ。東京、大阪、名古屋と5日間で7万人を動員した。さらに3月21日からは仙台を皮切りにSMAPの春のコンサートを開催。正月のアンコール公演として、4月5日の京都公演でラストを迎えた。


音松くん爆誕!夢MORI初回収録

●『POTATO』1992年6月号
『SMAPスーパー写真集』が売り切れ続出だという。夢MORI初収録の様子。おそ松くんならぬ音松くんが爆誕した初回収録に密着。

中居「SMAP独自の笑いで見てる人をひきつけたい。笑いも全力でやるよ」、木村も「こういう大きい場でのお笑いは初めてだから」と芸人さながらのコメント。香取「カッコいいだけのアイドルじゃない、ちょっと違った面をみせたい」。当時の振り切り方からも伝わるように、6人の意識が音松くんに向いていた。



4月1日に横浜こどもの国で行われたドッヂボール大会について。デビューイベントに続き、またしても雨に降られたSMAP。それでも遠くから来たファンのためにとライブと握手会を実施。髪を濡らして歌う姿があった。誌面には夏のミュージカル、京都・南座『ドラゴンクエスト』の制作発表も。

バレンタインに140トンのチョコレート!

●『週刊女性』1992年3月3日号
かつての芸能界といえば、バレンタインデーにファンから寄せられたチョコレートの量でその人気の度合がうかがい知れたもの。『週刊女性』(1992年3月3日)によれば、光GENJIとSMAPを筆頭にジャニーズ事務所に届けられたチョコレートは、4トントラックに35台分、140トン。
当時デビュー1年目のSMAP人気も手伝って、前年に比べて20トン増だったとある。ちなみにこの記事の下には和田アキ子「肋骨完治で“歌声”戻った!」。ベッドから落下して肋骨を骨折しまったそうだ。

この頃『JUNON』ではSMAPのソロシリーズがスタート。1992年8月号の初回は木村拓哉が登場。初めての舞台で、演出家から要求されたことができなくてトイレで一人泣いていたこと、中学生時代に告白した女性のこと、初めてギャツビーのムースを使った夏の日など、かなり赤裸々に語っている。

いま、いちばんやりたいことについて、「ただの19歳の普通の男の人になってみたい」。インタビューでは中学生時代の恋愛について語っていただけに、この頃からすでに何をするにも注目を浴びていたことが伝わってきた。

10月号には香取が登場。通信制の高校生になっていた。中学生時代の思い出として、修学旅行のエピソードを。4泊5日の京都旅行では“女子が集まってしまう”と先生の計らいで、寺院巡りではなく、男6人で巨大迷路やパットゴルフなどを楽しんだ。
夜は恋バナを楽しみ、時には恋のキューピット役も担ったという。

自身の恋については「初恋は小5のときかな。はじめて、人を好きになるってことわかった」。早くから芸能界に身を置いていることもあり、ちょっとおませだった様子。

少年隊のファンだった母がオーディションに応募したのをきっかけに、ジャニーズ入りした香取。毎週日曜日に一人でレッスンに通った。「友達が遊んでるの見て、ヤだなって思ったこともあったよ。でも、踊りがすっごく楽しくなって、ずっとやっていきたいと思うように、いつの間にかなってたんだ」


ヒロ&ヒロ

●『明星』1992年7月
「カノジョよりもオマエが大事。」として湘南フレンズ・佐藤敦啓(現・アツヒロ)と中居の2ショット。中2でレッスンを受け始めたときにはもう所属していたという佐藤。光GENJIのバックにつくようになって再びつるむようになった二人。中居が仕事のことで悩んでいるときに佐藤を呼び出し、話を聞いてもらっている間に大泣きしたと中居。「知り合いの前で泣いたの、敦啓だけ。ハジカシー!」。“恥ずかしい”が“ハジカシー!”ママで掲載されているのもこの頃の特徴。温泉で腰にタオルを巻いて、シャンプーする2人のバックショット。

アイドルのチケット詐欺はこの頃もあった!

●『週刊明星』1991年10月31日号
少々巻き戻るが、『週刊明星』1991年10月31日号では少々気になる記事が。「ギャルの詐欺事件に光GENJI、SMAPショック!!」と題して、チケット詐欺事件を扱っていた。5,500円するチケットが4,000円で手に入るというまさかのディスカウント詐欺や、お金を出せばメンバーに会わせてあげるという紹介詐欺が発覚。これについて『超アイドル博』のステージで、赤坂晃と中居が注意喚起したという。

ファンから250万ものお金を巻き上げたのは、当時15歳の中学3年生。80件もやらかしたとあるから驚く。ネットもない時代ならでは?なのか、ネットもないのに?というべきか。しかしよくもまぁ……。
(柚月裕実)

※次回の更新は9月20日(月)21時予定! レビューを更新しましたら、エキレビ!のツイッターでお知らせします

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Writer

柚月裕実


Web編集/ライター。ジャニヲタ。アイドルがサングラスを外しただけでも泣く涙腺ゆるめな30代。主にKAT-TUNとNEWSですが、もはや事務所担。

関連サイト
@hiromin2013
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