8月26日、さいたまスーパーアリーナにて“Animelo Summer Live 2023 -AXEL-”(以下、アニサマ)のDAY2が開催。毎年夏恒例の世界最大級のアニソンフェスの2日目は、新人からベテランまで顔を揃えたのはもちろん、長年続く人気シリーズ、さらにはJ-POPのレジェンドアーティストまでアニソンを披露しに登場。
従来以上に多様性に溢れた顔ぶれが、楽曲披露ごとに観客の心を熱く熱く揺さぶっていった。

TEXT BY 須永兼次

1曲目からまるでトリ!? スタートからブチ上がりまくりのDAY2
DAY2の開演直前生影ナレは、現在ラジオで共演中の中島由貴と岡咲美保の2人が担当。気心知れた関係性ならでは肩の力の抜けた掛け合いを通じて観客のハートを温め、SSAは開演時間を迎える。

まずはステージ上にangelaが登場。そしてatsuko(Vo.)が「アードーレーナーリーン!」とシャウトすると、TrySailもステージに現れて「adrenaline!!!」がスタート!4人の歌声とパフォーマンスが場内の熱気を一気に上げると、1サビ後にはangelaの「全力☆Summer!」へとスイッチ。会場を左右半々に分けた恒例のコールなども交えて楽しすぎる時間が会場を1つにし、大サビで再び「adrenaline!!!」へ。ラストナンバーかと見紛うほどのボルテージのなか、DAY2はこの「全力☆adrenaline!!!!!」でロケットスタートを決めた。

その勢いを受けて登場した『D4DJ』発のお嬢様ユニット・Lyrical Lilyは、まず1月に放送されたTVアニメのOPテーマ「Maihime」を披露。美しいスピンなども交えたキュートかつ麗しいパフォーマンスで自身の特色を大観衆へと提示すると、『D4DJ』というプロジェクトらしく進藤あまね(春日春奈役)のDJプレイも交えながら、これまでLyrical Lilyがカバーしてきたアニソンアンセムをメドレー形式で次々届けていく。「ギミー!レボリューション」で場内のボルテージをさらに上げれば、キュートさがさらに活きる「ぼなぺてぃーと♡S」「ふ・れ・ん・ど・し・た・い」を続け、この季節にマッチする「タッチ」まで披露し、最後にオリジナル曲「人間合格!!!!」へ。曲中の「3・3・1・1・3・7拍子」を通じて場内の一体感をさらに高め、次のアーティストへと繋げる。

2年連続出演となる中島由貴のステージは、まずはダンサーを従えての最新シングル曲「A NEW DAY」から。
会場全体へと笑顔を振りまきながら、決めどころをはっきりとさせたダンスとともに透明感のあるボーカルを響かせていく。そしてもう1曲、なんと10月放送開始のアニメ『ゴブリンスレイヤーII』のEDテーマ「霞の向こうへ」を初披露!歌声のベクトルをカッコよさ強めのものにキリッと切り替えて、シンフォニックロックなサウンドに乗せてまっすぐに大観衆へとぶつけていく。

さらに中島から、サプライズがもう1つ。影ナレをともに担当した岡咲美保を呼び込むと、ここでも適度に肩の力の抜けたトークを挟み、2人で曲目を決めたという「オトメロディー」でコラボ!2人とも歌声をキュートさ全開に振りながらも、その中に爽やかさの残る中島と、ロングトーンでの伸びが抜群な岡咲と各々の個性も発揮。サビでは大きなコールも巻き起こし、さらなる盛り上がりも呼び込む。

そのままステージは岡咲へとバトンタッチ。アニサマ初出演の彼女が、ソロアーティストとして披露したのは「インフィニット」だ。SSAを埋め尽くすアニソンファンへとご挨拶するかのように、ステージ上をゆっくり歩きながら歌唱する彼女の歌声は場内いっぱいへとどんどん伸び、広がっていく。大サビではそこにさらなるパワフルさも付加してしっかりと歌い、最後まで笑顔を咲かせながら、初アニサマのステージで堂々たる姿をみせてくれた。

さて、ここからは20周年イヤーを迎えた『プリキュア』シリーズゾーン。まずは『ひろがるスカイ!プリキュア』のアンダーグ帝国の刺客・カバトンがアニサマを狙うボイスドラマが展開すると、それを阻止するために登場したキュアスカイとキュアプリズムの変身バンクを挟んで石井あみが登場し、同作のOPテーマ「ひろがるスカイ!プリキュア ~Hero Girls~」を歌唱。OP映像を背負いながら、笑顔と歌声をきらめかせて最初から最後まで全力でぶつかり、会場中に歌に乗せてその世界を発信していく。


続いて、スペシャルステージに登場した吉武千颯が、後期EDテーマ「Dear Shine Sky」を歌唱。ED映像のプリキュアと同じ振付のダンスをこなしながら、こぼれんばかりのスマイルを歌声にも乗せていき、2番からはトロッコに乗ってスタンドの観客へもそれを届けていく。メインステージに到着してからは、自ら先導した腕振りでブルーとピンクのペンライトが揺れる光景に感激する一幕も。

その一体感を受け継いだのが、「ヒーリングっど♥プリキュア Touch!!」からメドレーパートの幕開けを飾った北川理恵。みずみずしく伸びのある歌声を笑顔で響かせながら、サビ直前では腕でさーっと会場をさらって、視線を交わして巻き込んでいく。1サビ後にはポップUPでMachicoが飛び出し、2人で彼女の持ち歌「Viva! Spark!トロピカル~ジュ!プリキュア」を歌唱。夏の日によく似合うラテン系のサウンドに乗せて、眩しい日差しのように明るく歌声を響かせていく。そして最後はMachicoソロでの「Cheers!デリシャスパーティ♡プリキュア」。甘さと芯を兼ね備えた彼女の歌声が会場中へと広がり観客にエネルギーを与えたら、1サビ後にここまで登場したシンガーを呼び込み、大サビは4人のユニゾンで締め括った。

曲明けには関根明良(ソラ・ハレワタール/キュアスカイ役)と加隈亜衣(虹ヶ丘ましろ/キュアプリズム役)も呼び込まれ、6人で『ひろがるスカイ!プリキュア』前期ED「ヒロガリズム」の披露へ。もちろんこの曲でもダンスをこなし、Bメロでは隣のメンバーと手でハートマークを作ったりもしながら、楽しく『プリキュア』ゾーンを締め括った。

続いては、こちらもアニサマ初出演となるRainy。
がスペシャルステージに登場。「…and Rescue Me」のイントロ中に発した言葉も含めパワフルさ全開のステージで、序盤から歌詞に合わせて指差しも織り込むなど、自身を取り囲む観客ともリンクしながら1曲をしっかり歌い切っていった。

実に8年ぶりにアニサマに帰ってきたChouChoは、「戦車道行進曲! パンツァーフォー!」をinterludeに登場すると、リリース前の『ガールズ&パンツァー 最終章』第4話~第6話OP主題歌「Never Say Goodbye」を1曲目に歌唱。自身で作詞・作曲を手がけたナンバーに透明感と力強さを併せ持つ歌声を乗せ、グリーン一色に染まった客席へと届けていく。さらにもう1曲、放送10周年を迎えたTVアニメ『氷菓』のOPテーマ「優しさの理由」も歌唱。彼女の魅力の1つ、歌声の持つ清涼感は、10年経っても変わらない。それが疾走感のあるサウンドを彩り、涼やかな風のようにSSAを吹き抜けていった。

石原夏織は、最新シングル「Paraglider」から自身のステージをスタート。爽やかで懸命な歌声や、楽曲展開に合わせての表情変化を通じて、胸にキュンとくるナンバーを最後の一瞬まで表現し切る。また、デビュー5周年を記念してのデビュー曲「Blooming Flower」では、ダンスしながらクレーンのカメラにもアピールしたりと、さすがのよく整理されたパフォーマンスを披露。時折ステージ端まで行きつつ、笑顔と瑞々しい歌声の花を咲かせてくれた。

打って変わってハードかつスタイリッシュなパフォーマンスを展開したのが、スペシャルステージに登場したMADKID。
コール・アンド・レスポンスで勢いをつけてから、メインステージ側を向いて「RISE」を披露し始める。2コーラス目に入ると向きを180°切り替えて、奥側の観客も巻き込んでいく。曲明けにはアニソンへの熱い想いを語り、そのまま10月放送の『盾の勇者の成り上がり Season 3』OPテーマ「SIN」を最速披露!次々フォーメーションが入れ替わるうえに序盤から非常に細かいステップもこなしつつ、パワフルかつシャープに魅せていく。自然とあらゆる角度から観たくなってしまうパフォーマンスを繰り広げた彼らは、アニサマのなかで屈指の“スペシャルステージの似合うアーティスト”なのではないだろうか。

そんな興奮冷めやらぬなか、メインステージから鮮烈なギターが、続けてバイオリンの音色が響いてMorfonicaが登場。始まりの曲「Daylight -デイライト-」を、全員揃っての初アニサマ1曲目として、アニメPVともリンクさせながら演奏・歌唱する。全体を通して全員が凛とした表情で奏でていきながら、2サビ冒頭では進藤あまね(倉田ましろ役/Vo.)が苦悩を表現したりと感情の揺れも織り交ぜていく。そのラストのかき回しからシームレスに突入した「flame of hope」では、Ayasa(八潮瑠唯役/Vn.)の演奏が、ただ聴かせるだけではなく弓の動きでも魅せるものになっていたのが印象的。そしてメドレー形式で続けた「誓いのWingbeat」では、全員の演奏も歌声も、それぞれより激しさを増していく。精一杯の想いを込めるかのように全力でこの曲を駆け抜け、最後は5人が向き合うように輪を作って、シリアスなシンフォニックロック3曲を届けきった。

前半戦のトリを堂々飾ったのは、TrySail。幻想的なinterludeから繋げた1曲目「ごまかし」では、ボーカルにシャープさを持たせながらも、A・Bメロでは曲調に沿わせた温かさも伴わせて歌っていく。
こうしてまずは、楽曲の世界を的確に構築する表現力をみせたところで、ここから2曲は『異世界ワンターンキル姉さん』OPを連続投入。まず「Follow You!」ではポップな楽曲に自然なキュートさを乗せつつ、直前に練習した部分をはじめコールを場内に響き渡らせ、一体感を高めていく。そうして観客のマインドが同じ方向を向いたところで、ウルトラハイテンションナンバー「華麗ワンターン」がスタートすると、観客のテンションは一気に大爆発。ふんだんに盛り込まれたコールがSSAにビリビリ響き渡っていく。その声を受ける3人は、会場中の誰よりもこの曲を思う存分楽しみ尽くして最後まで駆け抜け、DAY2の前半を締め括った。


TM NETWORK降臨!「Get Wild」でSSAが1つになった夜
アニサマの休憩明けというのは、油断しているととんでもないサプライズが飛び出してくるもの。この日の休憩明け1組目もそうだった。ステージ上、シンセサイザーの元に1人の男性が登場し、しばしinterludeを演奏。映像で映されたのは手元やピンボケした全身だけで、誰が底にいるのか判然としない。そんななか、おもむろにサンプラーを叩き「Get Wild and tough」のフレーズが流れると、場内からはどよめきが。そして次第にその人物にピントが合うと、どよめきは歓喜の絶叫へと変わる。なぜなら演奏しているのが、小室哲哉その人だったからだ。
しばらくソロプレイを繰り広げてから、“あの”イントロを奏でると、ステージには宇都宮 隆と木根尚登も登場。本家・TM NETWORKによる「Get Wild」の始まりだ。観客は“本家”のステージを味わいながら、赤く灯らせたペンライトをリズムに合わせて揺らす。サビでは自然と前述のフレーズの大合唱がSSAを包み、間奏でのコールも含めて3人の登場を大歓迎しているかのようだった。しかも3人は、単に懐メロだけを披露しに来たわけではない。リリース直後の最新ナンバー「Whatever Comes」も大観衆へと届けていく。“らしい”ビートはそのままに、明るく爽やかな空気をまとったもう1曲を演奏する3人に向かってペンライトは振られ続け、まさかまさかの時間を場内の誰もが大事に噛みしめていた。

その空気を良い意味でぶっ壊す存在として、続く上坂すみれは最適任だったのではないだろうか。今年がデビュー10周年にあたる彼女は、デビュー曲「七つの海よりキミの海」でトロッコに乗って登場。約50秒ものイントロのなかで掛け合いを通じて観客を巻き込み、コールも含めて自身の世界へと塗り替える。トロッコ上でも跳ねながらスピンしたり、Bメロやサビがシャウトやセリフ寄りになったりと、上坂自身もテンション高めにこの曲をまっとうすると、曲明け「すごい出番に来てしまった……」とボヤきつつも、「Inner Urge」では引き続きコールで盛り上がりつつ、終始無表情のダンサーを従えてシュールな世界を構築。上坂自身も、間奏の振付や歌い回しで自然とセクシーさを入れ込んでいく。そして最後に披露した最新シングル「EASY LOVE」も、引き続き無表情で腕を振り上げるダンサーを従えシュールな世界を作っていく。この3曲で場内のさらなるボルテージの高まりを感じてか、達成感も感じられるような笑顔で、上坂は4年ぶりのアニサマのステージを降りた。

続いてステージに登場したのは、同じく4年ぶりのアニサマ出演となったClariS。レースの美しいロングスカートを身にまとっての最新ナンバー「コイセカイ」は、その衣装もあってか、ふわりと跳ねながらパフォーマンスする姿はまさに妖精のよう。左右対称の振付も息ピッタリに、しかしDメロ“同じ未来”のフレーズだけは同時に同じ方角を指差したりと、細部まで質の高いパフォーマンスをみせる。さらにもう1曲披露したのは、昨年夏に彼女たちのファンの裾野をより一層広げたであろう「ALIVE」。この曲はシリアスさをベースにした歌声で、流れるようなダンスをみせながら、追っかけも交えつつ歌唱していく。こういった強めの楽曲もしっかり魅せ・聴かせることで、多くの観客に“もっと観たい”と思わせる、そんなステージを形作ったのではないだろうか。

と、ここでメインステージには“サプライズレスラー”としてグレート-O-カーンがアニサマを支配せんと登場すると、それを阻止しにスペシャルステージには愛美とMADKIDとともに登場。オーカーンと戦いながら愛美は1人トロッコに乗り「MAGICAL DESTROYER」を歌唱する。メインステージへ到着してなお愛美は引き続き歌で戦い、MADKIDはオーカーンと殺陣を繰り広げていく……と、羽交い締めにあったオーカーンのインナーは、なんと2015年に愛美が開催したライブグッズである「愛美世代」のTシャツ!実は彼が愛美のTOであったことが判明したところで、最後は全員で曲に合わせた腕振りで大団円を迎えた。

こうして脅威が去ったところで愛美はもう1曲、最新ナンバー「煩悩☆パラダイス」も歌唱。自ら作詞も手がけたこの曲を、会場中の声援を浴びながら歌う彼女の表情は、実に晴れやかで気持ちが良さそう。昨年のギターを提げたアーティスティックな姿とはまた違う魅力を提示するステージとなった。

前半に続き後半にも登場したMachicoは、最新ナンバー「STAY FREE」を歌唱。ロック色の強いややハードめな曲を、スタンドマイクを用いて歌声一本で歌い上げて大観衆と真っ向勝負する姿は本当にカッコいい。最後は彼女が振り出した手に合わせて火球と音玉が同時に炸裂。SSAに“エクスプロージョン”を爆裂させていった。

ブルーに染まるステージに現れた仲村宗悟は、まずミドルナンバー「WINNER」をグルーヴィーに歌い上げる。サビでは腕振りでSSAに海を作り、しっかり観客のハートと繋がり一体感を生み出すと、ブラスの映える情熱的なナンバー「fist of hope」では熱く歌唱。その熱と想いに、先ほど心と心でリンクした観客のペンライトは、赤く輝いて呼応する。そのままギターを提げて、自らそれをかき鳴らしながら歌ったロックナンバー「imitation」でも、歌声に込める熱さは不変。そのうえで、場内の観客はもちろんギターセッションでセッションしたバンドメンバーも含め、すべての人と音楽だけで繋がることを達成したステージとなったように感じられた。


様々な壁を超越して心を1つに繋げる、アニソンのもつパワー
爽快感の強いロックナンバー「Dash and Go!」から自身の出番を始めたのは、3年連続の出演となる鈴木愛奈。歌唱中は聴衆の先頭に立つようにキリッとした表情で力強く歌い、しかし間奏中の煽りなどでは歌える喜びと歌声で繋がれる嬉しさの溢れた、ニッコニコの笑顔をみせる。スカッと青空の似合う曲を、会心の笑顔とともに歌いきった。さて、実は鈴木、声出しありのアニサマはソロでは初。ということで、初出演時に歌った「ヒカリイロの歌」を、声出しありのアニサマで改めて歌唱していく。観客思い思いの色に無数のペンライトが輝く光景を目にしながら、序盤からまたも満面の笑みを見せる鈴木。歌声はやはりこのステージに立つにふさわしい、天まで伸びていくかのような高らかなもので、強さとカッコよさを再提示してみせた。

そして、松本梨香が「旅は続くぜ!ポケモンGETだぜ!」とシャウトしステージに現れると、今年TVアニメのシリーズが節目を迎えた『ポケットモンスター』1st OPのリアレンジ版「めざせポケモンマスター -20th Anniversary-」をパワフルに歌唱。曲中セリフ部分は、観客の大きなコールが自然と担っていく。さらに「バトルしようぜ!」のシャウトから、『ポケットモンスター めざせポケモンマスター』最終話のEDで流れた「タイプ:ワイルド」のイントロが流れ、観客からは大歓声が!もちろんサビでは「タイプ:ワイルド!」のフレーズが、観客との大合唱になる。2コーラス目以降には、“あの頃の子どもたち”代表としてアニサマ出演者がステージに現れ、サビのコール部をともに叫ぶ。そんなオーディエンスへと歌いかけるように、松本は最後のフレーズを優しく暖かく歌うと、「行こうぜ!次の冒険へ!」の言葉とともに一緒にステージを駆け降りた。

そこに開演ブザーと「ki-ringtrain」が鳴り響けば、スタァライト九九組の“レビュウ”の時間。まずは始まりの曲「Star Divine」での凛とした歌声とダンスをもって、美しい歌劇のようなステージを展開。久々に響き渡るコールに、小山百代(愛城華恋役)をはじめメンバーみな嬉しそうな表情をのぞかせると、初披露曲「Polestar」へ。簡単な手フリの振付も盛り込まれたこの曲、途中からメンバーはトロッコへと乗り込み、観客の近くでこの曲を届けることで大団円感が。曲のラストにはスペシャルステージへと到着し、「セーラー戦士のレビュウをお届けします!」との小山のセリフから、『劇場版 美少女戦士セーラームーンR』のEDテーマ「Moon Revenge」をカバー。ステージの外周いっぱいに広がり、全方位の観客へとしとやかな歌声を聴かせてくれた。

“アニサマ2023”DAY2もいよいよこの日のトリ・angelaの出番。最新ナンバー「AYAKASHI」ではサビのロングトーンを尻下がりに歌い妖しさも感じさせつつ、サビラストの最高点では力強く高らかに歌い上げていくatsuko。2-AメロではKATSU(Gt.)と背合わせになってセッションのようなスタイルもみせ、Dメロでは音源以上に溜めを作って感情を歌声にたっぷり乗せていくなど、観客の心をライブならではの形で捉える。そしてここからは、メドレー形式で3曲連続で披露。今年1月発売の「RECONNECTION」から幕を開けると、それぞれ作品の放送10周年を記念して「ANGEL」「僕じゃない」を畳み掛け、歌いきれないほどの名曲をもつアーティストであることを再度痛感させる。

さて、2023年はangelaにとってメジャーデビュー20周年の年。ということで、アニソンへの感謝も述べてから歌ったのは、そのメジャーデビュー曲「明日へのbrilliant road」。観客との振付やコールのやり取りも交えながら、SSAいっぱいに歌声とサウンドを響かせて、直前のMCで言及したアニソンの持つ“時代を超えるパワー”を体現するかのようなステージを作っていく。そしてラストを飾ったのが、もう1つの大事な曲であり鉄板ナンバーでもある「Shangri-La」。この日は全編に渡って映像に歌詞テロップも表示し、atsukoの「一緒に歌って!」の呼びかけのもと観客と交互にメインパートを担当する形で、より大事な1曲として思い出に刻んでいく。その光景は世代も性別も国籍をも超える、音楽の、アニソンの素晴らしさを言外に証明するものだった。曲の途中から2人ともイヤモニを外して観客の声を聴き、落ちサビではその声に耳を澄ませて会心の笑みを浮かべる。「20年間トップランナーで居続ける」ということを成し遂げた2人にしかできないであろう会心の表情とともにこの曲を届け、自身の出番を締め括った。

最後に出演者陣が勢揃い。「DAY2、すげーだろ!?(KATSU)」「ここに立っている出演者全員、そして来てくれたみんなも、アニメとアニソンへの気持ちが誰よりも強ーい!(atsuko)」と発してから今年のテーマ曲「heartbeat-axelator」を全員で歌唱し、DAY2のステージは“ゴール”。angelaのようなアニソン界の大ベテランはもちろん、サプライズ登場したJ-POP界のレジェンドから新人アーティストに至るまで、従来以上に多彩な顔ぶれが作り上げた大盛り上がりの1日を経て、2023年のアニサマは最終日・DAY3へと向かっていく。

“Animelo Summer Live 2023 -AXEL-”DAY2 セットリスト

“Animelo Summer Live 2023 -AXEL-”DAY2
2023.08.26@さいたまスーパーアリーナ

【SET LIST】
M01. 全力☆adrenaline!!!!! / angela×TrySail
M02. Maihime / Lyrical Lily
M03. ギミー!レボリューション ~ ぼなぺてぃーと♡S ~ ふ・れ・ん・ど・し・た・い~ タッチ ~ 人間合格!!!! / Lyrical Lily
M04. A NEW DAY / 中島由貴
M05. 霞の向こうへ / 中島由貴
M06. オトメロディー / 中島由貴×岡咲美保
M07. インフィニット / 岡咲美保
M08. ひろがるスカイ!プリキュア ~Hero Girls~ / 石井あみ
M09. Dear Shine Sky / 吉武千颯
M10. ヒーリングっど♥プリキュア Touch!! / 北川理恵
Viva! Spark!トロピカル~ジュ!プリキュア / Machico with 北川理恵
Cheers!デリシャスパーティ♡プリキュア / Machico
M11. ヒロガリズム / Hero Girls!“サマー”スカイ!プリキュア
M12. …and Rescue Me / Rainy。
M13. Never Say Goodbye / ChouCho
M14. 優しさの理由 / ChouCho
M15. Paraglider / 石原夏織
M16. Blooming Flower / 石原夏織
M17. RISE / MADKID
M18. SIN / MADKID
M19. Daylight -デイライト- / Morfonica
M20. flame of hope ~ 誓いのWingbeat / Morfonica
M21. ごまかし / TrySail
M22. Follow You! / TrySail
M23. 華麗ワンターン / TrySail
M24. Get Wild / TM NETWORK
M25. Whatever Comes / TM NETWORK
M26. 七つの海よりキミの海 / 上坂すみれ
M27. Inner Urge / 上坂すみれ
M28. EASY LOVE / 上坂すみれ
M29. コイセカイ / ClariS
M30. ALIVE / ClariS
M31. MAGICAL DESTROYER / 愛美 with MADKID vs. グレート-O-カーン
M32. 煩悩☆パラダイス / 愛美
M33. STAY FREE / Machico
M34. WINNER / 仲村宗悟
M35. fist of hope / 仲村宗悟
M36. imitation / 仲村宗悟
M37. Dash and Go! / 鈴木愛奈
M38. ヒカリイロの歌 / 鈴木愛奈
M39. めざせポケモンマスター -20th Anniversary- / 松本梨香
M40. タイプ:ワイルド / 松本梨香 with アニサマフレンズ
M41. Star Divine / スタァライト九九組
M42. Polestar / スタァライト九九組
M43. Moon Revenge / スタァライト九九組
M44. AYAKASHI / angela
M45. RECONNECTION ~ ANGEL ~ 僕じゃない / angela
M46. 明日へのbrilliant road / angela
M47. Shangri-La / angela
M48. heartbeat-axelator / アニサマ2023出演アーティスト DAY2

©Animelo Summer Live 2023

関連リンク
Animelo Summer Live 2023 -AXEL-公式サイト
https://anisama.tv/
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