外食チェーンのサンマルク 京都に本社機能を移転

 5月8日、本社機能を岡山から京都に移した大手外食チェーンの「サンマルク」。インバウンド客が多い京都で認知度を高めたい狙いもあるようです。

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 ここ数年、企業誘致に力を入れている京都市。

その数は2022年以降、100件を超えています。一方で建物の高さをめぐる「景観論争」や「オーバーツーリズム問題」が他府県からの企業進出の足枷となっていました。

 なぜ京都は企業誘致を進めているのか?その都市戦略について、京都大学・大庭哲治教授ら専門家に聞きました。

京都に企業が集まり始めている?

【京都の都市戦略】観光業は税収面で“おいしくない”?企業誘致に注力する懐事情「固定資産税が原則非課税の寺・神社・学校が多い」「人口の1割が大学生で市民税が増えにくい」京都に勝算はあるのか?
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 ここ数年、企業の進出が進んでいる京都市。2022年以降、市外から105件を誘致していて、企業の立地支援は最大3億円です(エリアによる)

 <京都に進出する企業>
  ▼サンマルク⇒本社機能移転(岡山から)
  ▼ダイフク⇒研究開発拠点を新設(本社・大阪)
  ▼LINE KYOTO(2018年)
  ▼日本電気硝子⇒予定(滋賀から)

オフィスビル少ない京都…棟数は大阪の約10%

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 オフィスが少ないと言われる京都。京都駅周辺のテナントオフィス総面積は1.6万坪で、他の新幹線停車駅と比べると小さいことが分かります。

 <新幹線停車駅周辺のテナントオフィス総面積>
  ▼名古屋駅 22.4万坪
  ▼新大阪駅 15.6万坪
  ▼博多駅  14.7万坪
  ▼京都駅   1.6万坪
  (2023年 CBRE調べ)

 また、オフィスビルの数も少なく、大阪市の約10%にとどまっています。

 <オフィスビル棟数>
  ▼東京都心 7844棟
  ▼大阪市  2519棟
  ▼横浜市  686棟
  ▼札幌市  641棟
  ▼京都市  277棟
  (日本不動産研究所調べ 2026年1月時点)

高さ規制緩和でオフィス増加へ「建て替えの動機になれば」

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 高さ規制緩和でオフィス増加を狙う京都市。3月に行われた有識者会議では、京都駅前の高さ規制緩和案が出されました。

 <高さ規制緩和案>
  ▼京都駅ビル   60m
  ▼京都タワー周辺 60m
  ▼南側エリア   45m
  ▼東西エリア   45m

 京都大学の大庭哲治教授は「高さ制限は建物のボリュームを増やせず、高機能のオフィスに更新しにくい」とした上で、「制限緩和が建て替えの動機になれば」と期待を寄せています。

観光都市なのに企業誘致…背景に「固定資産税や市民税が増えにくい」財政構造

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 なぜ観光都市・京都に企業誘致が必要なのか?背景には人口流出・財政難の問題があります。

 東京23区・大阪市・名古屋などの都市部では人口が増えていますが、京都は近年減少していて2025年は143万人。

 また、京都市に入る税金を見ると、個人市民税・法人市民税・固定資産税・都市計画税で9割以上を占めますが…

 <京都市に入る税金 2026年度予算案>
  ▼個人市民税:1345億円(37.7%)
  ▼固定資産税:1304億円(36.6%)
  ▼都市計画税:289億円(8.1%)
  ▼法人市民税:288億円(8.1%)
  ▼宿泊税:132億円(3.7%)
  ▼軽自動車税・市たばこ税・入湯税・事業所税:206億円(5.8%)
  ⇒市税収入総額3563億円

 京都には固定資産税が基本非課税の寺・神社・学校が多く、人口の1割が大学生(15万人)で、観光業は比較的パート・アルバイトが多い…つまり固定資産税や市民税が増えにくい構造になっているのです。

インバウンド消費増…それでも税収はわずか?

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 さらに、消費税10%のうち都道府県収入は2.2%で、その一部が京都市にも分配されますが、全体の0.6~0.7%程度

 京都市内において観光客の消費が増えても、市に入ってくる税収はわずかです。

 宿泊税の収入は税収全体の3.7%で、寺社拝観者に課税する「古都保存協力税」(1985年~1988年)が寺社側の反発により3年で廃止になったことを考えても、観光業からの収入に頼ることの難しさがうかがわれます。

ゴミ問題や国際情勢「観光業一択のリスク」指摘も

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 2021年の京都市の実質借金は8000億円を超えていて、「財政再生団体」に転落する危機に陥っていました。

 大庭教授は、渋滞・騒音・ゴミ問題・感染症・国際情勢といった「観光業一択のリスク」を指摘。企業誘致による法人市民税・固定資産税・個人市民税の増加、雇用増による人口流出の減少が期待できると言いますが…

自治体間の企業獲得競争 京都に勝算は?

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 企業の進出を望んでいるのは、どの自治体も同じ。獲得競争の中、京都に勝算はあるのでしょうか?

 京都大学やiPS細胞研究所、同志社・立命館などの大学・研究機関が集まっていて、任天堂・京セラ・島津製作所といった世界的企業の本社が置かれていることも京都の強みです。

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 また、リニア中央新幹線北陸新幹線といった関西のインフラ整備、東京一極集中の是正の動きも京都にとって追い風になるのではと大庭教授は指摘。

 さらに、京都には、「パリやロンドンに会社を置きたい」といったように「拠点を置きたい」と思える“ブランド価値”があると言います。

 (関西国際大学・宗田好史教授)
 「京都ブランドは高まっている。文化・芸術・学術・国際ビジネスなど国際的な文化都市を目指すのが理想」

 観光振興と企業誘致・市民生活のバランスをどのように取っていくのか、今後も課題となりそうです。

 (2026年5月28日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『山中プレゼン』より)

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