◆「港のひかり」
藤井道人監督とキャメラマン・木村大作氏が放つ至高の一作。全編35mmフィルムの美麗な映像美の中、血縁を超えた「誰かのために生きる」人間の強さと、12年に及ぶ魂の絆を圧倒的なスケールで描き出している。
◆舘ひろし×眞栄田郷敦、世代の異なるスター2人が見せる躍動
孤独な漁師・三浦(舘ひろし)は、弱視ゆえに虐げられていた少年・幸太(子役:尾上眞秀)を救うため、自ら罪を背負い姿を消した。12年後、出所した三浦の前に現れたのは、かつて自分を救ってくれた“おじさん”に憧れ、刑事となった成長した幸太(眞栄田郷敦)だった。警察の資料から恩人の正体が「犯罪者」であることを知った幸太の葛藤、そして再会した2人の前に再び立ちふさがるかつての因縁。物語は、静かな港町を舞台に激しく加速していく。
最大の見どころは、大人になった幸太を演じる眞栄田の“眼差し”の演技。尊敬と疑念の間で引き裂かれる刑事という難役を、彼は研ぎ澄まされた力強さと、時折見せる幼少期のような脆さで見事に体現している。舘が醸し出す哀愁漂う色気と、眞栄田が放つ瑞々しくも熱いエネルギーが共鳴する瞬間、画面から目が離せない。2人が選んだ正義の形に、視聴者の心は激しく揺さぶられるはずだ。
どんなに過酷な運命に翻弄されても、消えない光がある。
◆「港のひかり」あらすじ
日本海を臨む小さな漁村に暮らす三浦(舘)は、漁師で日銭を稼ぎながら細々と生活していた。ある日、三浦は通学路で白い杖をついて歩く少年の幸太(尾上眞秀)を見かける。弱視を患う幸太を、同級生の子どもたちは、わざと転ばせて笑い者にしていた。幸太は両親をヤクザ絡みの交通事故で亡くし、彼を引き取った叔母はろくに育児もせず、その交際相手からも暴力を振るわれていた。事情を知った三浦は、孤独な幸太にどこか自身の姿を重ね、自分の船に乗ってみるかと誘う。自分のことを“おじさん”と慕い、一人の人間として接してくれた幸太に救われた三浦は、かつて敵対していたヤクザの取引を襲い、お金を盗み、幸太の目を治療することに。そして、三浦は幸太に一通の手紙を残して刑務所へ。遠くへ行ってしまった“おじさん”を見ることなく幸太は孤児院へ入所する。
―12年後―
出所した三浦は、静かに暮らすことを望み、地方の運転代行業者として働いていた。幸太とは手紙のやり取りは続いており、“おじさん”に会いたいと思いながら、幸太は三浦に憧れて刑事になっていた。
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