名護市辺野古沖で船2隻が転覆し、同志社国際高校(京都府)の女子生徒(17)と船長(71)の2人が亡くなった事故から16日で2カ月となった。第11管区海上保安本部はもう1人の船長や救出された生徒17人全員から聞き取りするなど、運航状況の解明や事故原因の特定を進め、業務上過失致死傷などの容疑で捜査している。
海上で生徒が撮影した動画もあるという。

(資料写真)転覆した船2隻「平和丸」(手前)と「不屈」(奥)の引き上げ作業をする海上保安庁の職員=3月16日午後1時51分、名護市・辺野古漁港
事故当日の経過表
転覆船と海保の動き

 3月16日午前10時10分、1隻目の「不屈」が高波を受けて転覆。同12分、その後方を航行していた2隻目「平和丸」も転覆した。研修旅行中の平和学習で乗船していた生徒ら21人全員が海に投げ出され、平和丸に乗っていた女子生徒と不屈の船長が死亡。生徒12人と乗組員2人の計14人が負傷した。
 事故は辺野古崎から約1・5キロの海上、遠浅のサンゴ礁周辺で発生した。水深が急に浅くなるため、外海から来た波が高くなりやすい海域だ。当時は波浪注意報が出されていた。
 11管によると、118番通報は生徒からだけだった。10時14分の最初の通報は雑音で聞き取れず、2分後に「大きな波にのまれて全員船から落とされた」などの2件の通報があった。救助された平和丸の船長は船を運航していたヘリ基地反対協議会の関係者に「スマホを海でなくしてしまった」と話している。
 海保側は10時24~38分、船外に投げ出された20人を引き上げた。
46分には裏返しになった平和丸内に女子生徒を確認したが、潜水用の機材がなく救出できなかった。11時18分、名護市消防本部の潜水士が、救命胴衣が船尾付近に引っかかっていた女子生徒を救出。その後に死亡が確認された。
 同志社国際高校によると1980年の開校当初から平和学習で沖縄を訪れる研修旅行を続けてきた。「辺野古」コースでは2023年から乗船を始めた。学校側はこれまで出航判断を船長に任せていたことや、引率教員が乗船していなかったことを明らかにしており、安全配慮不足を指摘されている。

 11管は業務上過失致死傷のほか、海上運送法違反容疑でも調べている。ヘリ基地反対協事務所と両船長宅を家宅捜索し、船2隻も押収した。同校側にも事故時の状況を聞いている。
 立件には予見可能性や注意義務違反があったことの立証が必要で、捜査は長期化する可能性もある。

 
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辺野古沖転覆から2カ月 過失の立証が捜査の焦点に 第11管区海上保安本部、全生徒に聞き取り
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