本作は、ベルリン、ソウル、東京を舞台に、孤独を抱えた2人の青年・琉(磯村)とヨハン(テギョン)が、“ソウルメイト”となっていく10年間の軌跡を描いた物語。
完成したドラマを観て、STUTSは「純粋にめちゃくちゃ面白くて、一気見してしまいました」とコメント。「琉とヨハンというキャラクターがとにかく素晴らしくて、彼らの関係にとても癒されました」と振り返った。
butajiも、「“物語に息が吹き込まれる”というのは、こういうことなんだなと感じました。おふたりの演技によって、文字だった物語が、今、ここで生きている人間たちの体温を持ったものになった。それに驚きました」と、磯村とオク・テギョンの芝居を絶賛した。
一方、主演の二人は主題歌を“救い”のような存在だと感じていたという。
磯村は「パズルで言えば、この作品を観てくださる方が最後のピース。その一個手前のピースを、STUTSさんとbutajiさんが仕上げてくださった感覚があります。スッと心に入ってくる、温かい楽曲です」と表現。
オク・テギョンも「人の記憶に最も残るのは音楽。この曲があることで、二人の旅路が観る人の心にしっかりと残り、温かい余韻を与えてくれる。歌詞もトラックも、琉とヨハンのストーリーそのものです」と深く頷いた。
座談会では、表現者としての深淵にも及んだ。
butajiが楽曲制作において語ったのは、「ある種の制限があるからこそ、追究していく楽しさがある。その時に隠そうとしても出てしまうものが個性」という言葉。通常の楽曲制作とは違う魅力が、主題歌制作にはあるという。
それに呼応するように磯村も、「役は自分とは全く別の存在ですが、自分が演じることでどうしても“自分の表現”が乗ってくる。隠しきれないものが出てしまうという点は、僕らも同じです」と話した。
また、オク・テギョンは、「理想だけでは成立しない瞬間もある。だからこそ、後悔しないように現場ではできる限りたくさんの素材を残したい。自分を磨き続けるしかない」と俳優としての姿勢を語ると、磯村も「現場でいろんなことが噛み合って、ポンっと生まれた芝居にひかれる。それに出会うのが、この仕事の唯一の楽しみ」と、自身の“現場主義”を明かした。
あわせて橋爪駿輝監督による特別映像が公開された。磯村とオク・テギョンの繊細な演技に、STUTS&butajiによる「Our Hearts ft.アイナ・ジ・エンド」が重なり、作品の余韻をさらに深く印象づける映像となっている。
■スペシャル座談会でのコメント
――主題歌を制作されたお二人が「ソウルメイト」を観た感想から伺えますか?
【STUTS】純粋にめちゃくちゃ面白くて、一気見しちゃいました。悲しい出来事も描いていますが、同時に救いもあって、最後にはすごく爽やかな気持ちで終えられる作品だなと。お二人が演じられた琉とヨハンというキャラクターがとにかく素晴らしくて、彼らの関係にとても癒されましたね。
【butaji】楽曲を手掛ける段階では脚本で物語を読んだだけだったんです。で、その後実際に完成した作品を観たら、とにかくお二人の演技の素晴らしさに驚きましたね。「物語に息が吹き込まれる」というのはこういうことなんだなと感じました。
――主題歌を制作するうえで、脚本のどういう部分にインスピレーションを受けたのでしょうか?
【STUTS】フワッとした言葉にはなるんですが、この物語にはどこか精神的で荘厳な雰囲気を感じていて、そういう空気に合う音楽をイメージしながら作りました。そして完成したものを聴きながら、この曲調ならbutajiさんに歌詞と歌メロを書いてもらえば絶対に良いものになると思ってお声がけさせてもらいました。
【butaji】最初に考えたのは「愛」についてでした。ただ、愛というのは本来すごく個人的で、人対人の関係性の中にあるものだから、社会性を持たないものだと思っているんです。でもこの物語では、アウティングや家族のあり方に対する外部からの視線など、心の中の愛と社会との摩擦が描かれている。そうした軋轢との戦いの歌を書きたいと思い、歌詞を考えていきました。
――主演のお二人が主題歌を聴いた印象はいかがでしたか?
【磯村勇斗】脚本段階で作られていたと聞いて驚いたんですが、まったくそう感じさせないくらい、メロディも歌詞も作品の世界観に溶け込んでいますよね。パズルで言えばこの作品を観てくださる方が最後のピースだとは思うんですが、その一個前のピースをSTUTSさんとbutajiさんが仕上げてくださった感覚があって。自然にスッと入ってくるような、心に響く楽曲だと思いました。
【オク・テギョン】この作品における琉とヨハン、二人のストーリーを非常によく表現している歌詞とトラックですよね。映像作品において、人の記憶に最も残るのは音楽だと思いますが、この曲があることで二人の旅路がしっかりと観る人の心に残り、温かい余韻を与えてくれると感じました。
――楽曲をつくる際にSTUTSさんとbutajiさんはどのようなお話をされたんですか?
【STUTS】これまでは話し合いながら作ることも多かったんですが、この曲に関しては僕がトラックを一気に仕上げて、それをbutajiさんに送ったらすぐに歌詞を書いてくださって。Cメロの部分に関しては、歌詞が乗った後に改めてトラックを足して、そこにまたbutajiさんに歌詞を乗せてもらうというやり取りはありました。ただ全体で言えば今まで二人でつくった楽曲の中で、一番役割分担が明確にできたんじゃないかなと思います。
【butaji】STUTSさんとはこれまでもコラボレーションしてきましたが、最初の段階のトラックがすでに雄弁で、すごく豊かに語ってくれるんですよ。その感覚を共有できていれば、その後は自然とスムーズに進んでいく感覚がありますね。
――作品を基に書き下ろす主題歌は、普段の楽曲制作とは勝手が異なるのでは?
【STUTS】違う部分もありますが、むしろ個人的にはやりやすいと感じますね。起点となるイメージがあるので、それを基に広げていける。なのでいつも結構楽しくつくれている感覚があります。
【butaji】同感です。ある種の制限があるからこそ、やりがいもあるし楽しさもある。細い糸を通していくような感覚で、基となる作品と自分の音楽との接点を探し、追求していくと言いますか。その際に隠そうとしても出てしまうものが個性だと思うので、そこは自然に出てくるものとして捉えています。
――磯村さんとテギョンさんも台本をもとに演技を構築されますが、あるものから表現を探していくという点で主題歌制作と通じる部分はあるのではないでしょうか?
【磯村】隠しきれないものが出ちゃうという点は、僕らも同じだと思いますね。琉という役は自分とは全く別の存在ですが、自分が演じることでどうしても自分の表現は乗ってくる。そこは似ているのではないかと今の話を聞いて感じました。
【テギョン】俳優は脚本というガイドラインの中で自分を表現する仕事だと考えています。その意味では似ている部分もありますし、それでも音楽とは異なる部分もある。でも作品やシナリオというフィルターを通し、曲と歌詞で自分を表現するという点ではやはり共通するものがあると思います。
――みなさんはそれぞれ俳優業に音楽活動、映画祭のプロデュースなど幅広く活動されていますが、<ものづくり>の観点で普段からどういうところにこだわっていますか?
【STUTS】すごく基本的なことですが、やはり「自分が納得する」ということですね。何かをつくるうえで絶対に妥協はしたくないですし、本当にやっぱり一回作って完成したものって、それが世に出ちゃうと、もう完全に自分の手を離れてしまうってところがあるので、そこに関しては絶対後悔のないように仕上げていきたいなという信条はあります。
【butaji】本当にその通りだと思います。でも毎回やっぱり後悔は何かしらあって、それをしないようにって毎回階段を上っていけたらと思ってます。僕も納得することはとっても大事だなと思います。いろんな意味での納得というか。
【テギョン】同じ気持ちですが、現場ではどうしても現実との折り合いも必要になります。映画やドラマは純粋なアートというより大衆芸術なので、理想だけでは成立しない。決して妥協はしたくないけれど、現実とのせめぎ合いで折れざるを得ない状況に置かれることもある。その中でできる限り妥協をしないためには、自分自身を磨き続けることが大事だと思っています。それでも妥協が避けられない瞬間もあるので、その時が来ても後悔しないように、現場ではできる限りたくさん素材を撮りたいと考えていますね。
【磯村】監督や脚本家、アーティストの方々は0から1をつくる作業をすることが多いと思いますが、僕たちはすでにできあがったものに後から参加する身であり、そういう意味ではクリエイティブな面であまり参加できていない部分もあると感じています。ただ作品はみんなでつくるものですし、かつ僕は現場至上主義なので、現場で生まれるものを大切にしていますね。現場でいろんなことが噛み合ってポンっと生まれたりするような芝居に惹かれるんですよ。それに出会うのがこの仕事の楽しみでもあります。
【テギョン】同感です。どれだけ準備しても現場では変わるのが常ですから。
【STUTS】ミュージシャン視点で言えば、ライブがまさにそうですね。演者がいて、お客さんがいて生まれるその場限りのものなので。現場の空気やバンドの演奏に応じて、僕もパフォーマンスを変えたりしますし。
――最後に、皆さんが<ソウルメイト>と聞いて、思い浮かべる人はいますか?
【磯村】今までの人生で、<ソウルメイト>という存在についてほとんど考えたことがなかったんです。でもこの作品に出会って、一緒に人生を共にしたいとか、言葉にしなくともこの瞬間を共有できる存在がソウルメイトだと思うようになりました。そういう存在は誰かと考えると、やはり自分の中ではテギョンなんですよね。
【テギョン】日本ではどうか分からないんですが、韓国では<ソウルメイト>という言葉自体普段はほとんど使わないんです。だから自分もソウルメイトと言われて思い浮かぶのは、これから先も磯村さんしかいないと思います。
【STUTS】一緒に大事な曲をたくさんつくってきた、JJJという友達のラッパーがいるんです。彼とはもう会えないんですが、今も一緒につくった曲をライブでやるとどこかで繋がっている気がしていて。恋愛とかそういうものではなく、心の深いところで何かを共有できている感覚がある。そういう意味でソウルメイトといえば彼を思い浮かべますね。
【butaji】僕はシンガーソングライターの折坂悠太ですね。曲をつくっていても「折坂さんならどれくらいの声を出すかな」とか「折坂さんが頑張ってるからこっちも頑張らないと」とか、つい考えながら制作している気がしていて。全然会わないし、LINEも全然しないんですけど、常に頭のどこかにいる存在というか。きっとお互いそうなんじゃないかと思います。

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