※本稿は、牧田善二『腎臓 人工透析にさせない最強の医療・食べ方』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
■「和食は健康食」信仰を捨てる
いわゆる栄養学の世界では、糖質(炭水化物)、脂質、タンパク質を「三大栄養素」と呼び、これにビタミン、ミネラルを加えて「五大栄養素」としています。
厚生労働省は、毎日の食事において、炭水化物から50~65パーセント、脂質から20~30パーセント、タンパク質から13~20パーセントの割合でカロリーを摂取することを推奨しています。
しかし、エネルギーをどんどん消費する肉体労働に就いている人ならまだしも、デスクワーク主体の人は、これでは糖質の摂りすぎでAGEが量産されてしまいます。
ところが、実際には現代人の多くが、この厚生労働省の基準値さえも上回る、さらに糖質の割合が高い食生活を送っています。とくに、白米好きの日本人は炭水化物の摂取量が多く、摂取カロリーの7割以上を糖質から摂っているという人もざらにいます。
腎臓を大事にしたいなら、「和食は健康食」だという思い込みから抜け出す必要があります。実は、糖質の割合が多い和食は、昔も今も健康食ではありません。ただ、あまり量を多く食べられなかった時代には、摂取した糖質が余ってしまうこともなかったのです。
■「おかわり自由、大盛り無料」は悪魔の言葉
一方で、白米をたくさん食べられ、煮物にも砂糖がたっぷり使われている現代の和食は、血中にブドウ糖が溢れて腎臓の膜をダメにするAGEを増やすだけでなく、血糖値を上げて糖尿病に罹りやすくなります。
味噌汁などの塩分も多く、高血圧も呼び込みます。
つまり、和食には腎臓を悪くする要素がたくさんあるのです。
白米好きの日本人に「ご飯を控えろ」と言うのは心苦しいのですが、食べすぎないようにしてください。「おかわり自由」「大盛り無料」は悪魔の言葉です。こうしたサービスを売り物にしている店からは遠ざかりましょう。
ランチメニューに多い牛丼、天丼、かつ丼などに、蕎麦やうどんがついてくるセットメニューは、お得感も満腹感も得られますが、恐ろしいことに「炭水化物+炭水化物」です。同じ和食でも、刺身定食など、甘くないおかずの多いものを選んでください。
■血糖値を上げないご飯の食べ方
炭水化物を加熱調理したときに、その後の冷める過程で「レジスタントスターチ(resistant starch)」という物質が増えます。レジスタントスターチは消化吸収されにくいデンプンのことで、ずばり「難消化性デンプン」と訳されます。
デンプンは、いくつかのブドウ糖がくっついた多糖類です。白米の約8割、小麦粉の約7割がデンプンです。
こうした多糖類は、食べて消化されると一個一個のブドウ糖に分解され、小腸から血液中に吸収されます。ただ、なかには難消化性のデンプンが存在し、ブドウ糖にバラけることなく大腸まで届きます。これがレジスタントスターチです。
ブドウ糖に分解されなかったレジスタントスターチは、血糖値を上げることがなく、AGEの産生も抑制します、また、大腸まで届いて腸内細菌のエサになるなど健康にいい働きをします。
さらに、腸内細菌によってレジスタントスターチが発酵し、「短鎖脂肪酸」という物質がつくりだされます。短鎖脂肪酸は、大腸の粘膜を保護し、免疫力を高めることがわかっています。
先に述べたように、こうしたレジスタントスターチは、冷める過程で増えます。ということは、米飯なら炊き立てのアツアツよりもおにぎりが、パスタや蕎麦も冷製のほうがいいわけです。
なお、一度レジスタントスターチが増えれば、レンジで温め直してもその状態は保たれるといわれています。
ただし、冷めた炭水化物の全部がレジスタントスターチになるわけではありません。あくまで一部(白米で1割程度)です。いくら冷めていても、大半はしっかりブドウ糖に分解されるので、摂りすぎてはなりません。
■これで炭水化物の消化吸収がスローに変わる
炭水化物を食べると、消化されブドウ糖に分解されて、小腸から血液中に吸収されます。このとき、速いスピードで消化されれば、ブドウ糖がどんどん血液中に増えて血糖値も上がるし、AGEもたくさんつくられます。
だから、なるべく炭水化物の消化が遅くなるような食べ方をすればいいのです。
たとえば、消化にかかる時間は、白米で約2~3時間であるのに対し、肉は4~5時間、肉の脂肪は7~8時間を要します。つまり、炭水化物よりもタンパク質や脂質は、消化に長い時間がかかるのです。
もし、あなたの目の前に、炊き立ての美味しそうな白米があったとして、それだけをパクパク食べたとしたら、2~3時間で消化され、どんどんブドウ糖として吸収されます。結果的に血糖値は上がり、AGEが増えます。
■食べる順番を変えても効果がある
一方で、一緒に「ステーキ」を食べれば、タンパク質や脂質の消化に時間がかかり、白米の消化も邪魔され、遅くなります。あるいは、具だくさんのチャーハンにすれば、やはりタンパク質や脂質が多く含まれるために、消化に時間がかかります。
パンを食べるときも、バターやオリーブオイルをたっぷりつけてください。このように、炭水化物単体で食べないようにするだけで、血糖値の急上昇やAGEの量産が防げます。
さらに、「カーボラスト」といわれる、炭水化物を最後に食べるのもいい方法です。
たとえば、ランチに生姜焼き定食を注文したら、まずはメインの生姜焼きや、付け合わせの野菜を食べてしまい、最後に白米を食べます。
すると、先に食べたタンパク質や脂質に邪魔されて、白米の消化が進みません。
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牧田 善二(まきた・ぜんじ)
AGE牧田クリニック院長
1979年、北海道大学医学部卒業。地域医療に従事した後、ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで、糖尿病合併症の原因として注目されているAGEの研究を約5年間行う。この間、血中AGEの測定法を世界で初めて開発し、「The New England Journal of Medicine」「Science」「THE LANCET」等のトップジャーナルにAGEに関する論文を筆頭著者として発表。1996年より北海道大学医学部講師、2000年より久留米大学医学部教授を歴任。
2003年より、糖尿病をはじめとする生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開業。世界アンチエイジング学会に所属し、エイジングケアやダイエットの分野でも活躍、これまでに延べ20万人以上の患者を診ている。
著書に『医者が教える食事術 最強の教科書』(ダイヤモンド社)、『糖質オフのやせる作おき』(新星出版社)、『糖尿病専門医にまかせなさい』(文春文庫)、『日本人の9割が誤解している糖質制限』(ベスト新書)、『人間ドックの9割は間違い』(幻冬舎新書)他、多数。 雑誌、テレビにも出演多数。
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(AGE牧田クリニック院長 牧田 善二)

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