※本稿は、藤野智哉『人生が自動的にうまくいくレッスン』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。
■「うまくいかない考え方のクセ」を知る
私たちは目の前の出来事をそのまま、ありのまま見ているようで、見ていません。
たとえば自分の挨拶に対して返事がなかったとき、とっさに「嫌われた!」という自動思考が浮かぶ場合です。
実際は、相手がイヤホンをして聞こえなかっただけかもしれない。考えごとをしていたりして、声が耳に入らなかったかもしれない。
いろんな可能性が考えられるのに、自動思考が偏っていると、ムダにネガティブな感情にとらわれてしまうのです。
「聞こえなかったのかも」でスルーできれば、イライラもモヤモヤも生まれずに、その後の時間もラクに過ごせますよね。
認知行動療法では、うまくいかない結果をもたらしがちな考え方のクセにはいくつかのパターンがあるとされています。それを知っておき、できるかぎり避けるだけでも違います。
■「全部」「いつも」「絶対」に注意する
考え方のクセの1つめは「極端な一般化」です。
極端な一般化とは、「たったひとつの出来事」を「人生全体の結論」のように広げてしまうことです。
・書類で文字を1カ所だけ間違えた→「私は何をやってもダメ」「全部うまくいかない」
・締め切りに1回だけ間に合わなかった→「私はいつもだらしない」
・初めて営業先に行って怖かった→「私に営業は絶対できない」
このように、一部の事実を全体的なものとしてとらえてしまう思考パターンです。
実際に起きたのは「書類で文字を1カ所間違えた」です。それなのに、頭の中では「私は何をやってもダメ」「全部うまくいかない」にまで話が広がっています。
とくに「全部」「いつも」「絶対」という言葉が浮かんだら、「極端な一般化」が起きているサインかもしれません。自分の考えが「『極端な一般化』なのかも」と気づいたときは、「それはそれ」と心の中でつぶやいてみてください。
「全部うまくいかない」という言葉が思い浮かんだら、
「それはそれ。文字の間違い1カ所したくらいで、全部うまくいかないことはない」
「それはそれ。全部ではない」
という感じで、全体的なものではなく、ひとつの事象としてとらえるのです。こう考えるだけでも「極端すぎるかも」と思えたりします。
【POINT】
「それはそれ」と心の中でつぶやいてみる
■「0か100か」で考えない
・会議でたった1回だけ反対意見を言ってきた同僚を、それ以来「あいつはもう敵だ」と思うようになる
・コンペで3位に入ったのに、「1位以外はすべて無意味。この仕事は終わった」と感じてしまう
・目標達成まであと1件足りなかっただけなのに、「惜しかった」と思えず、「1件でも10件でも達成できない事実は同じ」とチームを叱責してしまう
・仕事のやり方で1点注意されただけなのに、「この職場に自分はいらないってことか」などと受け止めてしまう
こんなふうに、物事を「0か100か」で考えてしまう人がいます。
グレーゾーンがなく、「どちらかに一気に振りきってしまう」のが特徴です。SNSの炎上なども、この白黒思考が目立ちますよね。
「こんな発言するなんて、社会の敵だ」「こういう態度の人は、この仕事に向いてない。やめたほうがいい」「おごってくれない男性は、婚活する資格がない」……。
どれも共通しているのは、「全部ダメ」「全部悪い」と0か100かで結論づけてしまう点です。
仲のよかった相手に一度否定された瞬間に、「もうこの人100%無理」「関係を切るしかない」と感じてしまうケースもそうです。
仕事でも、がんばってきたのに1カ所指摘されたとたん、「全否定された」「評価されていない」と思ってしまう、いわゆる「完璧主義」の人の思考回路ともいえます。
■「グレーな部分」を認める
でも、世の中って、決めつけることができるほうが少なくて、グレーな部分がたくさんあるものです。
たまたま職場が一緒になっただけの同僚なら意見が違うことはよくあることでしょう。合うこともあれば、合わないこともある。仕事もうまくいくこともあれば、いかないこともある。
目標達成にしたって「達成」と「未達成」の間には大きなグレーが広がっているものです。
世の中には白黒つけられないこと、これが正解だと断定できないことばかりです。白黒思考で考えたら、うまくいきません。
もし、「あいつはもう敵だ」と関係を切りたくなったり、「もう完全に終わった」と絶望するような気持ちになったりしたときは、そこで少し立ち止まってみてください。そして、次のような質問を問いかけてみてください。
「意見が合った部分、否定されなかったことも数えてみよう」
「0か100かで考えすぎ。1と99の間で点数をつけるとしたら、何点だろう」
こんなふうに、グレーな部分を引き出すような質問を自分にするのです。白黒つけるものの見方で人間関係を壊したり、チャンスを逃してしまったりすることが減っていくと思います。
「あの人と意見が合わないところもあるけど、合うところもあるよね」
「今月は達成できなかったけど、達成できた月もあった」
そうやって、意識的に反対側に目を向けてみると、「0でも100でもない場所」が見えてきたりするのです。
【POINT】
グレーに目を向ける
■欠点をむやみに大きくとらえない
長所を褒められたときや成功したときでも、小さくとらえてしまう人がいます。
・「センスがあるね」と言われたのに、「お世辞で言っただけ」と思い、その言葉を受け取れない
・「さっきのプレゼンよかったよ」と上司から褒められたのに、「たまたま運がよくて、相手の反応がよかっただけ。自分なんか何もしてない」と感じてしまう
一方で、自分の短所を指摘されたり、失敗したことに対しては、必要以上に大きくとらえてしまいます。
・「もう少しちゃんとした提案書をくれますか」と言われただけなのに、「自分はガサツすぎてもうだめだ」「この仕事に向いてない」と落ち込む
・「今回のプレゼン残念だったね。でもあの部分はよかったと思うよ」と上司に言われても、「全然ダメだった。もっと準備も必要だった。あげく上司にも気を使わせてしまった」などと自分を強く責めてしまう
こんなふうに、ネガティブなものを拡大してとらえてしまい、ポジティブな要素を小さくとらえてしまう考え方のクセに「拡大視と縮小視」があります。
自分の短所や失敗は、過剰に大きくとらえて(拡大)、逆に長所や成功をたいしたことではないと小さくとらえてしまう(縮小)考え方のクセです。
■良い要素は大きく、悪い要素は小さく捉える
この考え方のクセがあると、自分の悪いところばかりが気になったり、他人からの悪い評価ばかりを大きくとらえてしまいます。
一方で、自分のいいところには気づけず、他人からの褒め言葉は否定したり、聞き流してしまいます。ムダに傷ついたり、落ち込む時間が多くなったりして、人生を少し難しいものにしてしまうようになります。
不安や落ち込みが大きくなり、ストレスもやたらと増えてしまいます。できるだけ、偏った考えを減らすようにしていきましょう。
・褒められたときに「お世辞で言っただけ」と思ったら、「お世辞ではない可能性」を考えてみる
・成功したときに「運がよかっただけ」と思ったら、「運ではない要素はどれくらいあるか」とも考えてみる
・短所を指摘されて「もう全部ダメだ」を思ったら、「短所ではない点、褒められたところ」を考えてみる
拡大視・縮小視しがちな人は、ポジティブな要素を大きめに、ネガティブな要素を小さめに考えてみると、少しフラットな見方に近づいていけるのではないかと思います。
また、前項の「白黒思考」が土台にあって拡大視・縮小視の考え方のクセが乗っかってしまうこともあります。
【POINT】
ポジティブ要素を大きめに、
ネガティブ要素を小さめにとらえる
----------
藤野 智哉(ふじの・ともや)
精神科医
産業医。公認心理師。1991年愛知県生まれ。秋田大学医学部卒業。幼少期に罹患した川崎病が原因で、心臓に冠動脈瘤という障害が残り、現在も治療を続ける。学生時代から激しい運動を制限されるなどの葛藤と闘うなかで、医者の道を志す。精神鑑定などの司法精神医学分野にも興味を持ち、現在は精神神経科勤務のかたわら、医療刑務所の医師としても勤務。障害とともに生きることで学んできた考え方と、精神科医としての知見を発信しており、X(旧ツイッター)フォロワー9万人。「世界一受けたい授業」や「ノンストップサミットコーナー」などメディアへの出演も多数。著書に3.5万部突破の『「誰かのため」に生きすぎない』(ディスカヴァー)『自分を幸せにする「いい加減」の処方せん』(ワニブックス)、『精神科医が教える 生きるのがラクになる脱力レッスン』(三笠書房)などがある。
----------
(精神科医 藤野 智哉)

![[のどぬ~るぬれマスク] 【Amazon.co.jp限定】 【まとめ買い】 昼夜兼用立体 ハーブ&ユーカリの香り 3セット×4個(おまけ付き)](https://m.media-amazon.com/images/I/51Q-T7qhTGL._SL500_.jpg)
![[のどぬ~るぬれマスク] 【Amazon.co.jp限定】 【まとめ買い】 就寝立体タイプ 無香料 3セット×4個(おまけ付き)](https://m.media-amazon.com/images/I/51pV-1+GeGL._SL500_.jpg)







![NHKラジオ ラジオビジネス英語 2024年 9月号 [雑誌] (NHKテキスト)](https://m.media-amazon.com/images/I/51Ku32P5LhL._SL500_.jpg)
