香港誌の亜洲週刊はこのほど、高市政権が打ち出した軍事関連政策の中で、武器輸出については「一石三鳥」を狙ったものであり、それ以外にも国家情報局の設立があると紹介する、毛峰東京支局長の署名入り記事を発表した。
第1の極めて大きな変革は、情報体制の強力な集権化だ。
情報分野での内閣上層部への過度な権力集中は、国民や野党による監視機能の低下、権力乱用、情報の政治利用、プライバシー侵害などの強い懸念をも引き起こしている。
第2の重大な変革は、防衛装備品(武器)輸出の縛りの全面解除だ。日本はすでに敵基地攻撃能力の保有を認めるようになっていたが、今回はこれまでの「輸出可能なカテゴリーの制限」「ライセンス生産品の第三国への輸出制限」「国際共同開発した装備の第三国への輸出制限」という三原則が緩和された。例えば「輸出可能なカテゴリー」については、これまで救難や輸送などの非戦闘5分野に限定されていた輸出規制が撤廃され、戦闘機、軍艦、ミサイル、戦車といった致死性のある軍事装備の海外輸出も可能になった。
この武器輸出の制限緩和について、政権側には「一石三鳥」の狙いがある。まず1つ目は、同盟国や同志国との軍事的な相互運用性の強化だ。米国、英国、オーストラリア、フィリピンなど17カ国への武器輸出を通じ、日本はインド太平洋地域や世界規模での「物理的な軍事協力ネットワーク」を構築する。軍艦や潜水艦などの大型武器輸出は、長年にわたる部隊の訓練や保守整備、システムの改修や弾薬補充などを伴うため、日本と輸入国との協力が必然的に強化され、運用面で密接な軍事同盟パートナーとして組み込まれていくことになる。
2つ目は、長年にわたり「専守防衛」により制限されてきた日本の防衛産業の潜在能力と研究開発力の急速な活性化が期待できることだ。実際に4月18日には、豪州が日本から改良型「もがみ型護衛艦」11隻を約70億ドル(約1兆円)で調達する協定が結ばれた。戦後初の最新型護衛艦の輸出だ。この受注は三菱重工業の軍艦製造能力を直接高めるだけでなく、電子部品、半導体、精密加工などの関連するサプライチェーン全体に多大な恩恵をもたらす。日本政府も輸出補助金を拠出するなど官民一体で推進している。
3つ目は、海外の武力紛争への軍事介入についての事実上の「青信号」だ。新たな輸出原則では、武器の輸出承認は首相、官房長官、外務大臣、防衛大臣の4閣僚からなる国家安全保障会議(NSC)で審査され、国会へは事前承認ではなく事後報告で済むことになった。
交戦国への輸出は原則として禁止されているが、安全保障上の必要性に基づく、例えば「米軍がインド太平洋地域の体制維持のために武器を必要とする場合」や「日本の安全保障に関わる地域で戦闘が発生し、同志国が武器を必要とする場合」などの特殊事由があれば例外として輸出が認められる。このことは事実上、首相ら4閣僚による極めて大きな裁量の余地を残しており、柔軟かつ大胆な対外軍事介入の可能性を開くものだ。
以上のように、国家情報局の設立による情報の一元化と、武器輸出の全面解禁は、軍需関連により日本経済を潤しつつ、同盟国との絆を深め、さらには国際紛争への介入余地をも広げる「一石三鳥」の戦略的利益を政権にもたらそうとしている。(翻訳・編集/如月隼人)











