仏国際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)中国語版は29日、「躺平(タンピン)」をめぐる話題が中国で過熱していると報じた。
中国の社会現象である「躺平」は「寝そべり」と訳され、激しい競争社会に疲れ、最低限の生活でマイペースに過ごす人たちやそうした風潮を指す言葉。
記事によると、中国国家安全部は27日、「海外の組織が『躺平』を扇動したり、『躺平系インフルエンサー』に多額の資金を提供したりして(中国人に)『躺平洗脳』を行ってネガティブな感情を生み出している。彼らはわれわれ(中国)の若者が『躺平』することを望み、われわれの発展の果実、戦略的機会、民族の未来をみすみす手放させようとしている」などと非難した。
しかし、「躺平」は「海外の反中敵対勢力」による陰謀だとの主張は、ネット上で反発と批判を招いた。記事によると、中国で質の高い情報交換Q&Aサイトとして知られる「知乎」のあるユーザーは「私には考えがある。この『躺平洗脳』を解決する方法だ。こうした人たちを一律に仕事に就かせ、毎日8時間、昼休み1時間半、週5日勤務にし、保険金などを収めた後の手取り額を6000元(約14万円)にする。このように的確に対処すれば、海外組織の『躺平洗脳』は自然に消えるだろう」と皮肉を交えてつづった。中国では失業率が高止まりし、長時間の労働や残業を強いられていると言われている。
また、別のネットユーザーは、小米(シャオミ)の創業者である雷軍(レイ・ジュン)CEOが過去に「躺平」について語った動画を掘り起こした。雷氏は「私も『躺平』したことがあり、半年以上そうしていた。本当に持ちこたえられないなら、横になる(寝そべる)のも問題ない。
記事は、「国家安全部は海外勢力が『躺平系インフルエンサー』に資金提供していると指摘したが、具体的な説明は曖昧なままだった」と指摘したほか、中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報の元編集長である胡錫進(フー・シージン)氏が「『躺平』はしばしば未婚・非出産と関係があり、特に一部の人は相手が見つからないのではなく、結婚や出産が大変だと感じ、さらには恋愛すら面倒だと思っている。彼らこそが『躺平』の主力のようだ」と投稿したものの、ネットユーザーからは「結婚しない・子どもを持たないのは個人の選択ではないのか?刃物で脅せば若者に子どもを産ませられるのか?」といった反発を招いたことを紹介した。
さらに、「なぜ中国当局の歯切れは悪いのか」として、その答えとして以下のようなネットユーザーのコメントも取り上げた。「『躺平』の父はドイツ人だ。まったく働かず、金持ちの友人の施しで生活し、毎日本を書いては、みんなに雇い主に逆らうことや、『躺平』してストライキすることなどを勧めていた」。このドイツ人とはカール・マルクス、金持ちの友人とはフリードリヒ・エンゲルスのことで、「共産党宣言」の著者のことを指している。
記事は、「『躺平』という感情が広がる理由を考察する声もある」と言及。「知乎」のあるネットユーザーの意見として「若者の『躺平』の核心は国内の現実的な圧力にある。すなわち、不動産価格や物価の高さ、職場での搾取、階層上昇の余地の縮小、高強度で実効性の乏しい過度な競争、生活コストと収入の不均衡、老後と子育ての二重負担などであり、これ(躺平)は個人が現実の生存環境に対して行う自己調整である」「当局の見解は社会の現実的な矛盾を無視し、民生・雇用・分配といった真の要因を飛ばして海外の反中勢力による洗脳の産物と断定している。これは典型的な因果関係の逆転であり、客観的現実に反する」と伝えた。











