日本サッカー協会の技術委員長である山本昌邦氏はこのほど、2026年北中米ワールドカップ(W杯)期間中も「トレーニングパートナー制度」を継続し、約20人のU-19選手を日本代表に帯同させる方針を明らかにした。

中国の著名サッカー解説者である劉建宏(リウ・ジエンホン)氏は自身の動画系SNSで、この制度は日本サッカーにおける長期的人材育成システムの重要な一環だと指摘した。

日本代表は2018年ロシアワールドカップの際にも同様の取り組みを実施している。

当時、トレーニングパートナーとして帯同した若手の中からは、現在の日本代表の主力へと成長した選手も多い。久保建英、堂安律、板倉滉らが挙げられ、いずれも現在は国際舞台で重要な役割を担っている。

劉氏によると、「トレーニングパートナー制度」の本質は、若手を試合に出場させることではなく、代表チームに帯同させることで、日々のトレーニングや試合準備、生活環境を間近で体験させる点にある。これにより、選手はワールドカップ特有の高い強度や雰囲気を早期に理解し、メンタル面や戦術理解の向上につながるとされる。

こうした考え方は日本に限ったものではない。サッカー強豪国であるブラジルでも、若手を早期にワールドカップの環境に触れさせる伝統がある。伝説的選手であるペレは17歳で大会に出場し優勝に貢献。ロナウドやカカも若くして代表に選出され、大会の雰囲気を経験した。

それでも、日本の今回の取り組みは一度に20人のU-19選手を帯同させる点で、より大規模かつ体系的だといえる。これらの若手は海外合宿の段階からチームに合流し、グループステージ終了まで活動を共にする予定で、生活費や移動費などは事実上「もう一つのチーム」を運営するのに匹敵する規模となる。それでも日本サッカー協会はこの方針を堅持しており、育成への長期的投資姿勢がうかがえる。

劉氏は、このような「静かに浸透する」育成手法こそが、日本サッカーの近年の躍進を支えている要因の一つだと評価。制度的かつ科学的な育成体制によって、日本はアジアの強豪から世界と戦うチームへと着実に進化しているとした。

さらに同氏は、中国サッカーの現状について、日本との差は単なる成績だけでなく、育成理念やシステムにもあると指摘。結果を急ぐよりも、まずは現実を見据え、基盤整備を進めることが重要だと強調した。(記事/RR)

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