中国のSNSでは最近になり、自国の強大なごみ焼却能力を称賛し、中には「外国人は夢にも思わないだろう、中国ではまさかごみ分別不要だとは!」などと称してごみの分別が不要になったと称する投稿が注目されたが、デマだったと分かった。ドイツメディアのドイチェ・ベレが伝えた。

デマ発生の発端の一つが、深セン市にある中国最大級のごみ埋め立て地である王竜埋立地で、2025年になり掘り起こしと整備が始まったことだった。このことで、中国のごみ焼却は施設の能力が余っているので、いったん埋めたごみを掘り起こして焼却しているとのうわさが出た。

中国の都市部では多くの場合、ごみを出す際に、紙やプラスチック、ガラス、金属などの「資源ごみ」、食べ残しや食材の断片などの「生ごみ」、電池や蛍光灯、薬品などの「有害ごみ」、「その他のごみ」の4種に分類するよう定められている。中国では日本とは違い、焼却炉の性能などのために水分や脂分の多い「生ごみ」は焼却せず、埋め立てたり肥料づくりに使われたりしている。

「中国では強大な焼却能力によりごみ分別は不要」はデマだった―独メディア

うわさは、ごみ焼却施設の能力は過剰なので、生ごみを焼却用の「その他のごみ」と分別しないでよいと「進化」した。

しかし深セン市は26年3月、ウェブサイト上で「玉竜埋立地の掘削は、深センのごみが燃やせる量より少ないからでも、焼却処理能力が過剰だからでもない。深センの都市空間の発展と生態環境建設の必要性が主たる理由だ」と説明した。

深セン市の説明によると、深セン市のごみ焼却処理能力は1日当たり約2万トン、現在は毎日約1万8700トンのごみを焼却処理している。つまり実際の焼却量は施設の能力に逼迫(ひつぱく)している。市側はさらに、「深センはまさに長期的なごみ分別作業の展開を通じて、生活ごみの約50%を占める資源ごみ、生ごみ、有害ごみを正確に分離し、発生源での減量を実現し、末端の焼却施設に入るその他のごみの処理量を大幅に減少させた」「もしごみの分別をやめれば、焼却処理施設に入る生活ごみが増え、当市の既存の焼却処理能力では全量をカバーすることができなくなる」と強調した。

「中国では強大な焼却能力によりごみ分別は不要」はデマだった―独メディア

中国の環境科学研究および教育分野における貢献によって中国政府の「国家友誼賞」を受賞したこともあるドイツのロストック大学の廃棄物・資源管理講座ミヒャエル・ネレス教授は、「ごみ焼却は、いかなる持続可能な廃棄物管理計画においても重要な構成要素だ。しかし同様に重要なのは、焼却前により多くの材料をできる限りリサイクルすることだ」「分別収集がうまくいくほど、その後の(リサイクルの)質も高くなる」と指摘した。

分別が不完全でもある程度の処理はできるが、ごみが完全に混在していれば、人工知能(AI)を用いた最新の補助装置を使っても分別は不可能になるという。(翻訳・編集/如月隼人)

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