2026年4月23日、独メディアのドイチェ・ヴェレ(DW)中国語版は、独紙フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)が中国のロボット技術の発展現状を分析した記事を紹介した。

FAZ紙は2月末のメルツ独首相訪中に当たって中国が浙江省杭州市のロボット企業「宇樹科技(ユニツリー・ロボティクス)」視察を組み込んだことに言及しつつ、「中国のロボットはドイツ首相に武術を披露したほか、最近ではハーフマラソンの人類世界記録を上回るタイムでゴールしたが、こうした映像は選択的で時に意図的に演出されたものだ」と指摘した。

また、中国ではロボットが「うんざりするほど」至るところに現れ、展示会はもちろんのこと、北京マラソンから中国中央テレビ(CCTV)の春節特番まであらゆる場面に登場すると紹介し、「春節特番がロボットの見本市になった」と不満を漏らす中国人もいるほどだと伝えた。

さらに「人型ロボットは中国に世界で最も多く存在するが、実は日常生活でほとんど目にすることはなく、展示会、ショールーム、SNSライブ配信、テレビ番組の中でしか頻繁に登場しない」と論じたほか、業界で最も知名度の高い宇樹科技のデータでも、生産現場の第一線に投入されている人型ロボットは極めて少ないと説明した。

そして、現状では中国に「未来の世界」「ロボット時代」がやって来たわけではなく、中国のロボット技術は依然として発展段階にあり、日常生活で最も一般的な実用例はホテルの配膳ロボットという低次元なレベルにとどまっていると評した。

しかしその一方で、中国が持っている真の強みは技術力の高さではないことに言及。「常に最高端の技術を最初に打ち出すことではなく、品質がそこそこ良く価格も手頃な製品をどこよりも早く提供する点にある」と指摘。特にそのスピード感は目を見張るものがあり、ドイツをはじめとする欧州よりも中国の方が工場のロボット配置密度が高いほか、自動運転車両の普及も早いと紹介した。

FAZ紙はまた、人手不足が深刻なドイツではなく、人材にあふれている中国でロボットの導入が進んでいる現状を皮肉交じりに伝えた上で、「ドイツのロボット技術普及を阻んでいるのは経済理論ではなく、増幅された『恐怖心』だ」と論じた。

その上で、現実のロボットを目にすればその恐怖はたちまち解消されるとし、増幅された恐怖心を払拭するにも、自ら中国に足を運び街で活動するロボットの現状を正しく認識する必要があるかもしれないと結論づけた。(編集・翻訳/川尻)

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