米国とフィリピンの両軍が共催する多国間軍事演習「バリカタン」が4月20日から5月8日までの予定で始まった。日本からは陸海空の自衛隊約1400人の大規模部隊が初めて本格参加。
AFP通信などによると、演習には日米比のほか、オーストラリア、カナダ、フランス、ニュージーランドの計1万7000人以上が参加し、過去最大規模となる。演習は台湾海峡に面した比北部や中比が繰り返し対立する南シナ海の係争海域に近い州で実施される。
自衛隊は2012年にオブザーバーとして「バリカタン」に初参加して以来、継続的に関わってきた。大きな転機となったのは昨年実施された「バリカタン25」で、それまでオブザーバー参加だった自衛隊から護衛艦「やはぎ」が艦艇として初めて参加し、多国間海上機動訓練に加わった。
本格参加を後押しするのが日比間で昨年9月に締結された「日比円滑化協定(RAA=Reciprocal Access Agreement)」。これにより、両国間での部隊の相互訪問や共同訓練がよりスムーズに実施できるようになった。
今回、自衛隊からは過去最大の人員に加え、多彩な装備が投入される。海上自衛隊からは護衛艦「いせ」「いかづち」、輸送艦「しもきた」といった艦艇のほか、US-2救難飛行艇が参加。航空自衛隊はC-130H輸送機を、陸上自衛隊は88式地対艦誘導弾などを派遣する。
訓練項目は多国間海上訓練や水陸両用作戦訓練、対着上陸射撃訓練、対艦戦闘訓練、統合防空ミサイル防衛訓練など多岐にわたる。このほか、サイバー攻撃などへの対処訓練や統合衛生訓練、滑走路被害復旧訓練も行われる計画だ。
一連の訓練で特に注目されるのが陸自の88式地対艦誘導弾。北部パオアイ沖で標的船を沈めるために使用する予定とされる。
演習の目的について、フィリピン軍のブラウナー参謀総長は開始式で「この演習により即応性を示すだけでなく、必要であれば共に防衛するという決意を確認できるよう願う」とあいさつし、「実戦的な状況下での即応能力を試すものになる」とも説明。フィリピン側の演習担当ディレクターは「バリカタンでは特定の対象国は想定されていない」と述べた。
ロイター通信によると、中国外交部の郭嘉昆(グオ・ジアクン)報道官は20日の定例記者会見で「各国間の軍事協力は地域諸国間の相互理解と信頼を損なうものであってはならない」と強調。「アジア太平洋地域が最も必要としているのは平和と安定であり、最も必要としていないのは分裂や対立を生み出す外部勢力の介入だ」として、「関係各国に対し、安全保障面で固執して結び付くことは自ら火を招き、逆効果になるだけであることを改めて指摘したい」と言及した。(編集/日向)











