2026年4月22日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、オーストラリアのレアアース大手ライナスがマレーシアの加工工場を拠点に、中国によるレアアース市場の支配体制に風穴を開けつつあると報じた。

記事は、レアアースが17種類の元素から成り、電気自動車(EV)や電子機器、風力発電、航空宇宙、戦闘機を含む国防分野で使われる永久磁石の原料として不可欠であり、米中貿易摩擦の焦点となっていると紹介した。

その上で、ライナスが新設備の導入により2013年には軽希土類、2025年5月には重希土類の中国による独占をそれぞれ打破したことに言及。中国が世界のレアアース採掘の約60%、精錬の約90%を握る中、中国以外では世界最大の生産者であるライナスが、現在約10%のシェアの拡大を目指していると伝えた。

また、ライナスのアマンダ・ラカゼCEOが「中国の成功は明確な産業計画に基づいており、われわれも真剣に取り組む必要がある」と述べ、対抗には「集中と精密な計画」が必要との見解を示したことにも触れている。

そして、同社が西オーストラリア州の鉱山から採掘した原料をマレーシア・パハン州ゲベンの工場で分離・精製し、金属粉末に加工した上でポート・クランから日本へ週1回のペースで輸出し、現地で磁石に加工していると説明。主力製品のレアアース混合物「ネオジム・プラセオジム」の価格は1袋(約1トン)当たり約10万ドル(約1590万円)に達するとも紹介した。

このほか、ライナスのポール・ル・ルー最高執行責任者(COO)が、課題は生産能力そのものではなく川下工程の育成の遅れにあると指摘し、ラカゼCEOも加工と部品生産のギャップを埋めるため、すでに磁石メーカーとの提携を進めていると語ったことを報じている。

記事は、レアアースを取り巻く世界情勢として、中国が昨年10月にレアアースの輸出規制強化を発表し、その後1年間の猶予を表明したものの市場の動揺を引き起こしたことに言及。5月中旬に北京で予定されるトランプ米大統領と習近平(シー・ジンピン)国家主席の首脳会談では、レアアース供給が主要議題の一つになると予想されていることを伝えた。(編集・翻訳/川尻)

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