シンガポール華字メディアの聯合早報は22日、中国石油大手が西アフリカなどで原油積み荷を売却する異例の動きを見せていると報じた。国内の国有製油所が稼働率を引き下げる中で、余剰分の転売に踏み切ったとみられる。

米ブルームバーグが報じたところによると、中国中化集団(シノケム)および中国石油化工集団(シノペック)傘下の貿易部門が、ナイジェリアやアンゴラ、ガーナ産の原油について来月出荷分をすでに売却した。これらは台湾やインドネシアの製油企業が購入したという。

中国政府は高止まりする原油価格に対応するため、国有製油所に在庫の取り崩しを認めているほか、採算悪化を背景に稼働率を引き下げており、直近では70%を下回って2022年6月以来の低水準となった。一方で、政府は供給不足を避けるため、民営製油所には高い稼働率の維持を求めている。

記事によると、背景にはイラン戦争とホルムズ海峡の封鎖により、ペルシャ湾からの原油輸出がほぼ停止したことがある。これにより世界的な供給ショックが発生し、国際原油価格は急騰。アジアの製油所は代替調達を迫られ、中国からの転売分もその一部を担っている。

記事は「中国が原油を外部に売却するのは珍しいが、需給調整の一環としての転売は過去にも例がある」と言及。今年初めには、民営の盛虹石化産業集団がイラク産重質原油「バスラ・ヘビー」約100万バレルをアジアの別の製油所に販売したことを挙げた。

また、中国企業は調達先の多様化も進めているとし、ペルシャ湾以外ではアラブ首長国連邦(UAE)のフジャイラ、オマーンのミナ・アル・ファハル港、紅海に面したサウジアラビアのヤンブー港などからの輸入も増やしていると伝えた。(翻訳・編集/北田)

編集部おすすめ