2026年4月21日、中国メディア・観察者網は、米レアアース大手USAレア・アースがブラジルのレアアース開発・加工企業セラ・ヴェルデを約28億ドル(4400億円)で買収することで合意し、米国の対中依存脱却の動きを強めていると報じた。

記事は、USAレア・アースが4月20日にセラ・ヴェルデの全株式を現金3億ドル(約480億円)と新規発行普通株1億2680万株で取得すると発表し、取引総額は約28億ドルで第3四半期に完了する見通しだと紹介した。

そして、買収対象であるセラ・ヴェルデ傘下のペラ・エマ鉱山は中国国外で重レアアースを大規模に量産可能な数少ない中核資産であり、USAレア・アースのバーバラ・ハンプトン最高経営責任者(CEO)がアジア以外で磁石用レアアース4種類すべてを大規模に供給できる唯一の生産者だと強調したと伝えている。

また、USAレア・アースが米政府機関と民間資本の共同出資による特別目的会社(SPV)と15年間の全量引き取り契約を結び、ペラ・エマ鉱山の第1期生産能力の全量をこのSPVに供給する点にも言及。今年1月には米政府と160億ドル(約2兆5500億円)規模の融資・出資枠組みで合意しており、今回の買収が米政府の戦略的布石と深く結びついていると指摘した。

その上で、この買収劇について、中国が世界のレアアース採掘の約70%、加工能力の90%を握る中で、米国の危機感が浮き彫りになったと分析。米国防総省関係者が私的に明かしたところでは、F-35戦闘機とパトリオットミサイルの製造に不可欠な磁性材料の備蓄はわずか2カ月分にとどまり、その対象はネオジム、プラセオジム、ジスプロシウム、テルビウムの4元素だと報じた。

記事はさらに、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが15日、ブラジル政府が今後、外国企業によるレアアースなどの重要鉱物の開発権取得に際して現地加工を義務付ける新規則実施を示唆したと報じたことも紹介。ブラジルは世界のレアアース埋蔵量で中国に次ぐ第2位を誇る資源大国であり、中国企業と西側企業の資源争奪の勢力図が変わる可能性があるとした。

一方で、金融情報サイトのインベスティング・ドットコムがUSAレア・アースによる動きは、中国への対抗という点で言えばまだ初期段階だと評したことを紹介。中国の圧倒的優位性は数十年にわたって蓄積されたエンジニアリング技術体系に支えられているとし、米国の鉱山系大学が育成する鉱山技術者は年間約300人にとどまる一方、中国の関連学科の卒業生はその10倍に当たる年間3000人を超えている現状を伝えた。(編集・翻訳/川尻)

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