台湾メディアの自由時報は23日、「中国のレアアース攻撃に対抗、日本に切り札はあるか?」との記事を掲載した。

記事は、「2025年11月に高市早苗伊首相が台湾有事に関する発言を行ったことを受け、中国が強く反発。

日本への渡航自粛を呼び掛けたり、水産物の輸入を事実上禁止したりしたほか、中国は日本向けのレアアースおよびレアアース磁石の輸出制限に踏み切った」と説明。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの報道として「これは高市氏の発言に対する事実上の報復措置とみられている」と伝えた。

また、「中国はレアアースを含む軍民両用品の対日輸出を全面的に禁止し、特に希少で高価な重希土類や、それを用いた高性能磁石の供給を制限した。さらに、日本の半導体製造に不可欠な材料について反ダンピング調査も開始した。日本はレアアース磁石の生産で世界2位のシェアを占めるが、原料の多くを中国に依存しており、規制が長期化すれば製造業への影響は避けられない。これらの素材は半導体、自動車、防衛産業など幅広い分野の部品生産を支えている」と説明した。

一方、米ブルームバーグの報道として「日本にも対抗手段がある」と指摘。「その代表例が半導体製造に不可欠なフォトレジストであり、日本は世界市場の約9割を握るとされる。もし日本が対中輸出を制限すれば、中国の半導体産業に深刻な影響を与える可能性があるとみられている。実際、2025年末には日本政府が対抗措置としてフォトレジストの輸出規制を検討しているとの報道も出ていた」と伝えた。

しかし記事は、「日本政府はこうした報道を否定しており、当時の内閣官房長官は輸出管理の変更は把握していないと説明していた」としつつ、「それでも資源と先端材料をめぐる相互依存関係は、政治対立を背景に相互牽制の構図を強めている」と論じた。

記事によると、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストも関係悪化が進んだ場合、日本が切れるカードとしてフォトレジストを挙げた。

同紙は「半導体製造ではEUV(極端紫外線)技術の普及に伴い、フォトレジストの重要性が急速に高まっており、代替の難しい戦略物資と位置付けられている。調査会社のデータでは、JSRや東京応化工業、信越化学工業、富士電子材料といった日本企業が市場の大半を占め、中国の自給率はごく低い水準にとどまっている」と指摘している。

記事は、中国はこの状況を打開するため半導体材料の国産化を急いでいると言及。「主要メーカーは今後数年で先端フォトレジストの量産化を目指すとしており、政府の産業政策の下で技術開発が加速している。ただ現時点では、高性能材料の分野で日米企業の優位は揺らいでおらず、供給網をめぐる攻防は長期化する可能性が高い」とし、「こうした動きは、資源と技術を軸とした新たな経済安全保障の競争が本格化していることを示している」と結んだ。(翻訳・編集/北田)

編集部おすすめ