台湾メディアの中時新聞網は29日、「中国の消費者が日本製品に回帰」と題する記事を掲載し、「心変わり」の要因について伝えた。

記事は、中国のEC市場で数年連続で下落していた日本ブランドの売上が回復の兆しを見せていると説明。

日本のECデータ分析会社Nint(ニント)の統計を基に、2025年の中国ECにおける日本ブランドの売上総額は1401億元(約3兆2800億円)で、前年比0.3%増と4年ぶりの成長に転じたことを伝えた。

この背景について、Nint上海法人の堀井良威総経理は、買いだめやコスパ重視の消費が鈍化し、低価格志向への「節約疲れ」から品質と信頼性が再評価され、日本ブランドが再び支持を得ているとの見方を示したという。

カテゴリー別では、スポーツ・アウトドア用品が14.9%増の134億元(約3130億円)、衣料品が11.7%増の97億元(約2270億円)、スキンケアが1.4%増の189億元(約4430億円)といずれも伸長。一方でコンタクトレンズや腕時計は約17%減、文房具も12.6%減と、中国ブランドの低価格競争の影響が大きい分野では苦戦が続いている。

また、福島第一原子力発電所の処理水海洋放出を受けた不買の動きも、近年の低迷要因とされる。こうした中、資生堂は不採算店舗を閉鎖してECを強化し、花王は現地ニーズを取り入れた商品開発を進めるなど、日本企業は戦略を見直している。無印良品の清水智社長は、中国の消費者は「失敗しない買い物」、すなわち品質と安定性を重視しているとの見方を示した。

記事はさらに、高市早苗首相の台湾有事発言を受けた日中関係の緊張にも触れ、「政治的要因が今後の不確定要素になる」と指摘。「市場環境や競争、政治リスクが交錯する中、日本企業の戦略調整が回復持続の鍵になる」と結んだ。(翻訳・編集/北田)

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