中国の直轄市である重慶市は、国内外の観光客からますます注目を集めています。2025年、重慶を訪れた観光客は前年比12%増の延べ5億人を突破しました。

インバウンド観光客数も同68.2%増の延べ214万7800人と過去最高を記録し、旅行大手・携程(トリップドットコム)の中国本土におけるインバウンド人気都市ランキングで第7位にランクインしました。

海外のSNSでは、重慶市は「magic」や「立体都市」といったハッシュタグで知られています。観光客の関心は特定の観光名所よりも、山城という特異な地形が生み出す立体的な空間、高低差のある建築物、交差する橋などに向けられています。こうした地理的条件は都市建設において課題をもたらす一方、独自の観光景観を形成しています。

インバウンド客が68%増、SNSで話題の「立体都市」重慶が示す観光産業の新たな道筋

重慶三峡科技大学の李敬学長は、従来の「観光地を経営する」モデルは資源依存が中核であり、入場料収入による即時的な利益を追求するものだと指摘しています。これに対し、重慶のモデルは「都市を経営する」ことであり、都市全体を開放的で体験可能な一つの巨大なプロダクトと捉えています。重慶ではこれまでに全長800キロ以上の遊歩道「山城歩道」が整備され、1日の平均通行量は約300万人に上ります。沿道には昔ながらの茶館や雑貨屋が点在し、市民の生活の息遣いが色濃く感じられます。これらの歩道や特色ある街区、川沿いの経済エリアが融合し、多くの公共空間が体験型の観光コンテンツに生まれ変わっています。

また、重慶は観光客の体験向上にも注力しています。観光名所「洪崖洞」に隣接する千厮門大橋は、重慶の観光体験を象徴する「歩行者天国」として知られ、祝日や連休ごとに「橋を封鎖して道を譲る」措置により歩道橋として開放されています。この取り組みは長年続けられています。

多くの観光客からは、ここ数年で重慶の行列の秩序、案内標識、観光客向けの各種設備が著しく改善されたとの声が寄せられています。
インバウンド客が68%増、SNSで話題の「立体都市」重慶が示す観光産業の新たな道筋

現在、中国の観光業界は質の高い発展に向けた突破口を模索しており、重慶の取り組みは業界の転換に新たな視点を提供しています。都市全体を一つのプロダクトとして経営し、市民の生活そのものを風景として提示することで、観光分野における競争力はより持続的なものになるでしょう。(提供/CGTN Japanese)

編集部おすすめ