台湾メディアの自由時報は3日、「中国のレアアース武器化が裏目に、世界で重レアアース(重希土類)供給網の構築が加速」との記事を配信した。

記事は、「レアアース永久磁石が中国とその競争相手との貿易戦争における中心的な争点となっている」と指摘。

中国政府は昨年、これらの製品に対する輸出規制を利用し、米トランプ政権の関税政策で相手から譲歩を引き出した。また、日本との外交摩擦が発生した際にも同様の戦略を用いた」と説明した。

一方で、米ブルームバーグのコラム記事を引用し、「中国がレアアースに対する規制を強化するたびに、世界各国はレアアースの調達方法をより熟知するようになっている。その結果、各国が対抗措置を講じる中で、中国は自らの打撃範囲を縮小せざるを得なくなっている」と評した。

同コラム記事は「15年ほど前には世界で採掘・精錬されるレアアースのほぼすべてが中国で生産されていたが、長年にわたる供給停止の脅威によってその状況は大きく変化した」と指摘。「現在では、世界のレアアース生産量の約3分の1が中国以外の国から供給されているため、中国政府はレアアースの中でも特に希少な元素に焦点を移さざるを得なくなっている」とした。

また、「従来のレアアース磁石は高温になると磁性を失うため、電気自動車(EV)や風力発電、航空機など高性能分野では、耐熱性に優れた重レアアースの利用が不可欠となっている。特にサマリウム、ジスプロシウム、テルビウムなどは重要な元素で、中国が供給をほぼ独占してきた」としつつ、近年は代替材料の開発や新たな鉱床の発見が進んでいおり、重レアアースの供給網も中国依存からの脱却に向けて変わりつつあるとの見方を示した。

その上で、中国・江西省竜南地区で先日発見されたイオン吸着型鉱床に言及し、「確かに珍しいものだが唯一無二ではない」とし、「中国がレアアース生産を厳しく管理し始めた2010年代半ば以降、中国の鉱山企業は海外に活路を求め、ミャンマー・カチン州で豊富な重レアアース鉱床を発見し、採掘を進めた。同地域の埋蔵量は中国国内を上回る可能性もある一方で、無秩序な小規模採掘による環境問題も指摘されている」と伝えた。

そして、「中国以外でも供給網の構築が進んでいる」とし、「ブラジルではゴイアス州のイオン吸着型鉱床が調査され、投資を受けて2024年に生産を開始。現在は米国のUSAレアアース社が28億ドル規模の大型買収計画を進めている」と紹介したほか、「昨年発表された研究ではマダガスカル、マラウイ、ウガンダ、チリ、オーストラリアなど4大陸でイオン吸着型鉱床の存在を示す痕跡が確認された。

さらにマレーシア、タイ、ベトナム、フィンランドにも同様の鉱床が存在する証拠が見つかっている」と強調した。

記事は、「これらの鉱石を処理する専門技術を持つ中国国外の企業は、ジスプロシウム、テルビウム、サマリウムを抽出するための分離生産ラインの構築を進めている」とし、「ライナス・レア・アース社やネオ・パフォーマンス・マテリアルズ社はすでに商業生産を実現しており、MPマテリアルズ社と、USAレアアース社の提携先であるカレスター社も、数カ月以内に稼働を開始する見通しだ」と伝えた。

そして、「これらの動きは地政学的な利益のために世界的な鉱物資源の自由な流通を妨げようとする国々に対する明確な警告になる」とし、「中国は競争相手がレアアース磁石を入手する経路を断とうとしているが、その行動によって皮肉にも、これらの資源をこれまで以上に豊富に供給できる世界的な産業の形成を促す結果になっている」と評した。(翻訳・編集/北田)

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