ヒップホップとソウルが手を取り、隔たりを超えて新たなサウンドを作り上げた90年代はR&Bの黄金期だった。
●【この記事の写真&プレイリスト】90年代のR&B黄金期を築いた、永遠の名曲10選
ディアンジェロ「レディ」
グラミーを受賞したシンガーソングライターの1995年のデビューアルバム『ブラウン・シュガー』からシングルカットされた、アップテンポのご機嫌な1曲。あらためて聞き返してみると、「君は僕のレディ/僕のレディ」と響き渡るディアンジェロの甘いボーカルは、通りすがりのBBQパーティや結婚披露宴で大音量で流れていてもおかしくない。
ブランディ「アイ・ワナ・ビー・ダウン」
ブランディの1994年のデビューアルバムは、その後のR&Bのサウンド形成に貢献した。10代らしいはかなげな声と趣深いメロディの取り合わせから生まれた特徴的なサウンドは、ジェネイ・アイコからアリ・レノックスまであらゆるアーティストに影響を与え続けた。とくに「アイ・ワナ・ビー・ダウン」で、彼女はそうしたサウンドを完璧に表現している。
SWV「ダウンタウン」
90年代R&Bといえば、ガールズグループの影響を外すことはできない。SWVの1992年のデビューアルバム『イッツ・アバウト・タイム』には、「ウィーク・ポイント」「アイム・ソー・イントゥ・ユー」など、ハーモニーの新たな形を示す傑作ヒットが満載だった。中でも「ダウンタウン」は、3人組のボーカルスタイルの真骨頂だ。
アッシャー「ユー・メイク・ミー・ワナ・・・」
2000年代初期に新たな高みに昇る前、90年代のアッシャーはNo.1ヒットを3曲も送り込む驚異の10代だった。そのうちのひとつが1997年の「ユー・メイク・ミー・ワナ・・・」。
アリーヤ「アイ・ドント・ウォナ」
落ち着き払った佇まいや控えめなスタイルにふさわしい滑らかなボーカルは、アリーヤを100万人に1人の逸材にした。そして温かい人柄と誠実さで、90年代もっとも親しみやすいスターの1人になった。90年代末、映画『ネクスト・フライデー』のサントラに収録された「アイ・ドント・ウォナ」は、若くして逝去した才能が垣間見える1曲だ。
メアリー・J・ブライジ「シェア・マイ・ワールド」
90年代初頭にジョディシィやP・ディディとともに現れ、モダンR&Bを再構築したメアリー・J・ブライジは、その後も愛と悲痛に満ちたサウンドを追求し続けた。1997年にリリースされた3rdアルバムからのタイトルトラック「シェア・マイ・ワールド」は、自分の声を完全にものにしたシンガーとしての成熟ぶりがうかがえる。
フェイス・エヴァンス「ユー・ユースト・トゥ・ラヴ・ミー」
フェイス・エヴァンスの「ユー・ユースト・トゥ・ラヴ・ミー」は、冒頭の20秒を聴いただけで胸がいっぱいになり、どこか懐かしい気持ちになる――エタ・ジェイムズやアレサ・フランクリンの名曲を聴いた時と同じ感覚だ。1995年にリリースされたニュージャージー出身のアーティストのデビューアルバムを代表する1曲。
ジョディシィ「マイ・ハート・ビロングス・トゥ・ユー」
ノースカロライナ州出身のグループは、現代のボーイズバンドやシンガーたちに影響を与えてきた。ゴスペル調のメロディに独自のヒップホップスタイルを織り込んで、R&Bに新たな風を送り込んだ。こうしたスタイルの面影は、ジャックイースやタイ・ダラー・サインといったアーティストの作品からもうかがえる。1993年の3rdアルバム「ダイアリー・オブ・ア・マッド・バンド」に収録された正統派バラードは、ドレイクやシアラをはじめ、多くのアーティストにカバーされている。
702「ゲット・イット・トゥゲザー」
ミッシー・エリオットの手を借りて、702はダンスミュージックとソウルの融合に重要な役割を果たした。だがドネル・ジョーンズがプロデュースした「ゲット・イット・トゥゲザー」では方向性を変え、ゆったりとしたスロージャムの名曲を送り出した。
ジョン・B「They Dont Know」
先輩格のベイビーフェイスの後を継いだジョン・Bは、80年代によく耳にしたエモーショナルなバラードの世界を再び呼び覚ました。「他人の意見に耳を貸さないで/僕らのことは何も知らない」とジョン・Bは歌う。「嫉妬は全部吐き出しなよ/ここなら誰にも知られない」彼が雨の中でこう歌う姿をまざまざと思い浮かべることができる――まさに昨今のR&Bに欠けている要素だ。
From Rolling Stone US.
この投稿をInstagramで見るFlash back to the golden sounds of Nineties R&B with our latest Music at Home playlist, featuring SWV, Jodeci, Brandy, Mary J. Blige and more. Check it out at the link in our bio. Rolling Stone(@rollingstone)がシェアした投稿 - 2020年 7月月17日午前11時03分PDT