中国でインターネットの掲示板(BBS)に「イエスも韓国人にさせられる運命から逃げられなかった」とのタイトルで一連の写真が掲載されたことで(画像)、中国のインターネット・ユーザーが反発している。

 写真の投稿者は、「捏造(ねつぞう)ではない。
韓国内の神学校で生命の危険を冒して撮影してきた」と説明。掲載されているのは、聖書にあるイエス・キリストの生涯の有名なシーンを題材にした一連の絵画だが、人々の服装はすべて韓国の民族服。風景や家屋も、すべて韓国のものだ。

 同投稿への感想では「厚顔無恥」、「宇宙一の想像力」、「哀れな人々」、「宇宙創造のビッグ・バンも、韓国人が実施した」など、非難や揶揄(やゆ)の書き込みが相次いでいる。韓国人を指す差別用語を使っているケースもみられる。

 ただし、「中国でも聖母マリアを中華風にしたことがある。現地化の一例にすぎない」、「絵画化しただけ。韓国人と直接言っているわけではない」との冷静な意見もある。

 中国では、韓国や韓国人を嫌う感情が高まっているとされる。ビジネスや留学で韓国人と接触する機会が増えた結果、「はっきりした理由もなく、自国や自民族の優位性を強調する人が目立つ」(30代中国人・男性)との声が聞かれる。

 なお、上記中国人によると、「日本人も同様の発言をする場合があり、反感を覚えることがあるが、日本人は根拠を示そうと努める傾向が比較的強いように思う」という。

 韓国については、同国の研究者が「漢字を作り出したのは韓国」、「孔子は韓国人の血筋だった」との説を発表したことが中国でも報道されたことも「反韓感情」を強めた。
2005年に韓国の「江陵端午祭」がユネスコの無形文化遺産に登録されたことでも、「端午節という中国の文化を横取りした」との反発が強まった。

 さらに、韓国のテレビ局SBSが8月8日の北京五輪開会式のリハーサルを秘かに撮影して事前に放送したことでは、中国メディアを含め、猛烈な非難の声が上がった。

 中国では、韓国メディアの朝鮮日報の報道として、ソウル大学の教授が「大量の史料を調べた結果、イエス・キリストは韓国の血筋を引いていたことが判明した」と発表したと伝えられたことがある。(編集担当:如月隼人)

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