明治のカカオ事業、高付加価値商品に勝算 物価高で厳しくなる生活者の選択眼が「生ねり製法」など独自価値に追い風
松田克也社長CEO
 明治は、チョコレート・グミなどを領域とするカカオ事業で高付加価値商品に勝算を見込む。

 カカオ事業は今期(3月期)、売上高1963億円(前年比5.1%増)、営業利益180億円(同18.3%増)の増収増益を計画。


 主力のチョコレートに加えてカカオ原料に左右されないグミなどの商品群を強化して収益改善を図り、これに前期営業利益で足を引っ張った中国事業の収益改善を見込む。

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松田克也社長CEO 5月14日、2026年3月期決算記者会見に臨んだ松田克也社長CEOは、主力のチョコレートについて「しっかりとした価格政策のもので売っていく。さらに他社にないような我々の技術で価値を高められるような商品、例えば『生のときしっとりミルク』をしっかり売っていく。チョコスナックについてもいろんな形で販促をかけながら売っていく」と力を込める。

 「生のときしっとりミルク」は、28℃以下で常温保存でき賞味期限12カ月でありながら、生チョコレートのような柔らかい食感や濃厚な味わいを実現したもの。
 要冷蔵で賞味期限が短いといった生チョコレートの課題や高単価で気軽に食べられないといったチョコレート専門店商品の課題を解決するものとして提案している。

 柔らかな食感と常温保存の両立を実現した製法が、8年かけて編み出された同社独自の特許製法「生ねり製法」となる。
 独自価値のため小売店のチョコレート売場では高価格帯にあり、物価高で厳しくなる生活者の選択眼を追い風と捉える。

 「板チョコ市場はついこの間まで98円だったのが今では200円となったことで、お客様が板チョコを買われるときの判断が厳しくなるのが、すごく嬉しい。安いと『どれでもいい』と思われがちだが、いろいろ考えて買って下さったほうが有難い。本質的な価値のある物が増えてくると思う。昔は数売ればいいという感覚があったが、今はそうではない」との考えを明らかにする。


 前期カカオ事業は売上高が1868億円(前々期比9.3%増)、営業利益が152億円(同6.4%減)。

 国内では、チョコレートが価格改定効果もあり増収となり、グミは新商品が寄与し好調に推移。
 海外では、中国での主力チョコレート群の伸長や、アメリカでの「ハローパンダ」の販売拡大により増収となった。

 営業利益については、国内は原材料コストが増加したものの、価格改定効果により増益。
 一方で、海外はアメリカが増益となった反面、中国が価格改定に難航して減益となった。

 「中国では原料高騰に対して対応ができなかった。現地の人たちが悪いというのでは決してなく、日本においては明治がカカオについても乳についても率先して業界をリードして対応しているが、いかんせん中国ではそのような立場ではなく、やっと昨年の段階から競合トップ(の価格)が上がったため、我々もできる環境になった。年明けからしっかり値上げをしている」と説明する。

 なお、カカオ相場や調達コストについて、菱沼純取締役専務執行役員CFOは「足元は非常に相場が下がっている。ただ、当社はカカオ豆の在庫を約1年分ほど持っており、これを今期使うということになり、対前年でいうと、上期は30億円程度コストが上がり下期は10億円から20億円程度コスト下がり、全体の損益からするとそれほど大きなインパクトではない」との見方を示す。

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