盲目の芸人・濱田祐太郎「生まれて初めての沖縄を、"耳"で楽し...の画像はこちら >>

盲目のお笑い芸人・濱田祐太郎さん

『R-1ぐらんぷり』第16代王者にして、盲目のピン芸人・濱田祐太郎のコラムが週刊プレイボーイで好評連載中! その名も「盲目のお笑い芸人・濱田祐太郎の『死角からの一撃』」。

第20回は、人生初の沖縄でのこと。

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芸人をやっていると、仕事でいろんな場所に行く機会があるんですが、今年は人生で初めて沖縄に行きました。初めての沖縄は予想外の体験の連続でしたよ。

その日は沖縄のお笑いライブに出演するために、伊丹空港から飛行機に乗って那覇空港へ。「沖縄を満喫できたらいいなあ」とワクワクしていました。

僕のイメージでは、着いた瞬間からBGMで三線の曲が聞こえてきて、「沖縄やな~!」と実感できると思っていたんですけど、空港内ではフルートだか笛系のかなりポップなBGMが流れていて、沖縄要素ゼロでした。

僕が地方に行くときに楽しみにしていることのひとつは、その土地の方言を聞くことです。特に沖縄の方言は特徴的なので、生で聞けるのを楽しみにしていたのですが、空港にいたのは同じ飛行機に乗ってきた人ばかりで、ほとんど関西弁でした。

後ろを歩いていた女のコふたりが「沖縄、来たな~。イーヤーサーサー」「いや、その動きソーラン節やん」と関西弁丸出しで会話していたり、おばちゃんが「この新聞、向こうにやろうと思ったけどあかんかったわ」と不満をこぼしていたり。ここでもまだ沖縄要素ゼロ。

女のコの会話は「ソーラン節は北海道やろ」とツッコめるんですけど、おばちゃんの言葉は謎すぎません? 新聞を向こうにやろうとする状況がよくわからないし、その上「あかんかった」ということは失敗してるやん。ちょっとインタビューして、詳細を聞いてみたくなりましたよ。

そこからタクシーでお笑いライブの会場に向かいました。沖縄の人は時間にルーズだという話もよく聞くので、地図上では15分だけど30分くらいかかるのかなあと思っていたら、ドライバーさんがけっこうスピードを出す人で、8分で着きました。依然として沖縄要素はゼロ。

というか正直、「法定速度ちゃんと守ってる?」って思うくらい体が揺れましたよ。ある意味ルーズではあるのかも。

ただ、会場に着いてからは沖縄をしっかり満喫できました。まず、ケータリングで置いてあった紅芋タルトがめっちゃおいしかったです。僕はスイートポテトが好きなので、紅芋タルトもドストライクで好みの味でした。

それから、地元のスタッフさんが「A&W」という国内では沖縄にしかないお店のハンバーガーを買ってきてくれて、これもおいしかったです。ふわふわのパンの間に、お肉とサクサクに揚げられたオニオンフライ。ソースの味も濃すぎず、素朴で甘め。

フライドポテトはリング状で、ホクホク感がかなり吾輩好みであった。

あっ、すみません。おいしすぎて、つい一人称が吾輩になってしまいました。

沖縄の方言も聞くことができました。ライブで共演した地元のコメディアンのおばちゃんが「ちばりよー」「ちばいんどー」と言っていたんです。「がんばれ」とか「がんばるぞ」って意味らしいです。

ふと、沖縄では「ちば」が「がんば」に当たるのかなと思いました。だとしたら「ち」が「がん」ってことになりますよね。そうなると、『ドラクエ』でモンスターと戦うときの作戦「ガンガンいこうぜ」は、沖縄だと「チチいこうぜ」になるのかなと思いました。なんか、おっぱいパブに誘ってるみたいになりますよね。「皆でチチいこうぜ。スライムよりぷるぷるなのを触り倒そうぜ」みたいな。

そんなこんなで人生初の沖縄は大満足でした。

ちなみに帰りの空港で泡盛を買って家で飲んだんですけど、2杯でベロベロになりましたよ。

 ●濱田祐太郎(はまだ・ゆうたろう) 
1989年生まれ、兵庫県神戸市出身。2013年より芸人として活動を開始し、『R-1ぐらんぷり2018』(フジテレビ)で優勝。関西の劇場を中心に舞台に立つほか、テレビやラジオなどでも活躍。公式X【@7LnFxg25Wdnv8K5】

撮影/梅田幸太

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