青空のエディオンピースウイング広島で迎えた今季ホーム最終戦。左シャドーで先発した中村は開始11分、ペナルティエリア左へ飛び出してMF松本泰志からの絶妙なスルーパスを受けると、鋭い切り返しで相手DFをかわし、右足シュートをゴール右隅に沈めて先制点を奪った。
39番を背負う中村はこれで3試合連続ゴール。どれもペナルティエリア左から決めた先制点で、相手に警戒されてもおかしくないが、「トライする回数を増やしていくことが大事ですし、今日も何回か塞がれましたけど、回数を多くすることでチャンスが来るので、その回数をどんどん増したいなと思っています」と明かし、「やっぱり左の方が縦も行けますし、カットインもできますし、得意な形です」と胸を張った。
今シーズンは開幕前に体調不良に悩まされ、バルトシュ・ガウル監督新体制の船出に出遅れていた。2月14日の明治安田J1百年構想リーグ・地域リーグラウンド第2節のファジアーノ岡山戦後も、「コンディションは自分でもいいのか悪いのかわからない状態」と本調子ではなく、プレー面についても「自分が考えていた監督の求めることが少し違っていた」とまだガウル監督のサッカーへの適応過程だった。
「開幕戦を見てシャドーの選手がワイドに開いてスペースを取って入れ替わりながらプレーしていたので、自分もそれが今の監督が目指すサッカーだと思っていました。なので、自分もACLの時にずっとサイドに張って、降りてフリーで叩いてみたいなプレーをしていたけど、でも正直それは誰にでもできるようなプレーで、やっぱり自分の良さはそこじゃないなと思いました。今日の試合もとにかく背後を取って、ボックスを支配しようと言っていたので、自分は無理に落ちずにとにかく相手の背後を狙い続けました」(中村、第2節・岡山戦後)
そこから4月にも体調不良がありながら、今季はこれまで14試合に出場。地道に取り組み続けて、チームとともに調子を上げてきた。5月26日の第17節・京都サンガF.C.戦で1ゴール1アシストの活躍を見せると、川崎F戦で3試合連続ゴールを決めて好調ぶりを発揮。
「人生もそうですけど、やっぱり苦しい時もありますし、そういった時にどういう立ち振る舞いができるか、どういうメンタリティでいれるかっていうところが、自分の中で前半戦の大きな気づきでした。どんな時でも『自分はできるんだ』と信じてやってきたので、そういった意味でもより一層強くなったと思っています」
ガウル監督も川崎 F戦後の会見で、「シーズン当初は体調不良があって、なかなかチームの練習に参加できず、新しいチーム、新しいポジションに適応できなかったので、時間は必要だったと思います」と理解を示し、「その中でも、少しずつチームにフィットしていって、彼自身も自分が何をするべきかを分かってきた中で、体も徐々に動くようになり、今のパフォーマンスがあると思います。ゴール前の危険なプレーに関与していて相手に脅威を与えていますし、本当に素晴らしいパフォーマンスをしていると思います」と高く評価した。
プレーだけではなく、メンタリティも成長を遂げて、背番号39の存在感は一回り大きくなった。好調を維持しているが、「アタッカーの選手として、やっぱり結果や数字が全てだし、そういう世界だと思っているので、一喜一憂せずに地に足つけて次も頑張りたいです」と抜かりもない。
今シーズン残すは6月6日のプレーオフ第2戦。1点リードを持って乗り込む敵地での一戦で、中村はチームを勝利に導く4試合連続ゴールを狙う。「それができればベストですし、今シーズンで1番いい試合をチーム全体でやりたいです」と力を込めた。
取材・文=湊昂大
【動画】サンフレッチェ広島×川崎フロンターレ プレーオフラウンド7-8位決定戦 第1戦

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