◆野球日本海リーグ 富山8―7滋賀(22日、高岡西部)

 リーグ準加盟の滋賀ハイジャンプスは、7―8で富山GRNサンダーバーズにサヨナラ負けを喫した。7―7の9回裏の守備では、1死満塁での中飛に対して三塁走者がタッチアップ。

ホームで刺して引き分けのゲームセットとなったが、富山が映像によるリクエストを要求。判定は覆ってセーフでサヨナラ負けとなった。9回は4得点を挙げて追いついていただけに、選手たちのショックは大きかった。

 試合後、内野手兼任の日下部光監督(29)は、選手を集めて長いミーティングを行った。最後の送球がわずかにそれたことを指摘し「新しく出来たチームなので、公式戦で得るものは大きい。タッチプレーの送球については、キャッチボールからしっかりと向き合っているのかと再確認しました」と振り返った。

 滋賀は昨年秋に創設し、初代監督にはNTT西日本、BCL群馬、関西独立L、九州アジアLでプレーしてきた日下部が選手兼任で就任した。社会人からNPB入りを目指してきたが、悩んだ末に一区切りを付けたという。「30歳近くまで独立リーグでプレーすることに賛否両論はあると思うが、自分が辞めると伝えられない経験もある」と決断。ゼロから始まるチームという意味を込めて背番号0を背負い、チームの指揮を執りながら遊撃手や二塁手、指名打者として奮闘している。

 投手事情も苦しい状況の中、選手からの要望を受け、この日は指名打者として打席に立ちながら人生初のマウンドに上がった。先発投手として2回までは無失点に抑えたが、3回は1安打3四死球1失策などで5失点を喫して降板。

「初めてのピッチャーだったが手応えはあった。フィールディングのミスがなければ2失点に抑えられた。覚悟を決めて投げたが、甘くはなかったですね」と監督、指名打者、投手の初“三刀流”を振り返った。

 毎日の練習は午前中に3時間行い、午後は各自がスーパーなどで働いている。野球と仕事を両立させる苦労もあるが「1人1人の表情は充実している。準加盟の今年は、勉強の1年だと思っています」。地道に努力を重ねながら来年の正式加盟を目指す。(中田 康博)

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