◆日本生命セ・パ交流戦 2025 阪神1―3ソフトバンク(22日・甲子園)

 ソフトバンクが9度目の交流戦優勝(最高勝率を含む)を飾った。日本ハムが先に敗れ、6年ぶりのVが決定した後、阪神に競り勝って12勝5敗1分けでフィニッシュ。

賞金3000万円を手にする。小久保裕紀監督(53)は同一球団で選手&指揮官として頂点に立った初のケースとなった。

 一進一退のロースコア3連戦に勝ち越し、頂点に立った。20度の交流戦で9度目の優勝は12球団断トツ。小久保監督は「やっぱり、投手じゃないですか。この3連戦も計5得点で、よく2勝できた」と総括した。12球団2位の防御率2・20。最終戦も同トップ1・99の虎との守り合いに、6回から自慢の継投で競り勝った。

 交流戦序盤の7日に不振のオスナをクローザーから外し、19日には2軍へ。守護神不在のなか、先発の松本晴に投手コーチが「最初から飛ばして」と指示し、リリーフの層を証明した。野手も近藤、今宮が故障。不振の山川も2軍だが、指揮官は「交流戦の話ではない、シーズンを通してでしょ」と涼しい顔を見せた。

開幕前後から主力の離脱は常。それでも出番をつかんだ若手が躍動し、MVP候補の柳町は交流戦トップの打率3割9分7厘を残した。

 その底上げも「仕組みをつくるのは僕たち」と小久保監督。昨年から毎月恒例のコーチとの食事会も変化した。「勝つために何をしたらいいか」などと事前に与えた課題に沿った“スピーチ大会”を開催。借金6で迎えた5月3日のロッテ戦からは伴メンタルパフォーマンスコーチと技術指導専門のスキルコーチもベンチ入り。若手だらけのメンバーを支え、以降は26勝13敗1分けだ。8回に適時三塁打を放ったベテランの中村晃も「僕も毎日話しています。そういうサポートは若手には特に大きいのでは」と実感した。

 敵地でのインタビュー。小久保監督は「秋に阪神さんと1位同士で戦えるように」と頂上決戦を誓った。交流戦の約3週間で勝率5割から貯金7に。

首位・日本ハムとのゲーム差も4・5から3に縮め、ここからが本番だ。(安藤 理)

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