◆米大リーグ ドジャース7―10ツインズ(22日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が22日(日本時間23日)、本拠地・ツインズ戦に「2番・DH」でフル出場し、日本人選手初となる4試合連続本塁打をマークした。5点を追う9回2死三塁から守護神剛腕デュランの100・1マイル(約161・1キロ)のスプリットを左翼席にはじき返し、リーグトップのスアレス(Dバックス)に並ぶ36号。

54発を放った24年を上回るシーズン57発ペースで、不振が続いた登板翌日では今季初となるアーチをきっかけに、さらなる量産態勢に入る。

 異次元の魔球を粉砕した。大谷のバットが甲高い音を響かせると、打球は左翼席に吸い込まれていった。5点を追う9回2死三塁の5打席目。カウント1―1から、最速169キロを誇るデュランの投じた100・1マイルの衝撃的なスプリットを捉えた。リーグトップのスアレスに並ぶ36号2ラン。「見え方がいいのと、調子が戻ってきてるかな」と話していた背番号17が、日本人選手では史上初となる4戦連発の離れ業をやってのけた。

 歴史の扉をこじ開けた。日本人選手の3試合連発は他に唯一、ヤンキース時代の松井秀喜が04、07年に記録。大谷はエンゼルス時代の18年に最年少21歳で達成するなど、通算11度目の挑戦で前人未到の境地に達した。日本人の母親を持つロバーツ監督も大谷の快挙には「Wow! そうだったのか、素晴らしいね。翔平は毎晩自分の役割を果たしている」と大興奮だった。

 偉業を成し遂げた一発は、これまでメジャー通算261本のアーチを運んだ中で、昨年6月5日(同6日)の敵地・パイレーツ戦でバックスクリーン弾にしたスキーンズの直球に並ぶ自己最速の剛球撃ち。今季初被弾を喫し“異次元対決”に完敗したデュランは「俺は狙った位置に投げたのに彼が捉えた。パワーがあるからこそ、あんなことが起きた。俺の球がアメージング? 打たれたときに同じことを思った。大谷に打たれたなら受け入れるよ(笑)」と潔く認めた。

 大谷にとって疲労が残る登板翌日はこれまで“鬼門”だった。今季5試合目で、この日も前日から5打席連続三振を喫し、4打席目までには19打数1安打、打率・053とバットは湿っていた。ロバーツ監督は「その傾向を判断するには早すぎる。登板の2回は1イニングだけ。登板翌日に何らかの影響が出るような負荷はないと思う」と分析。だが、今季初の登板翌日アーチは周囲の雑音をかき消すはずだ。

 今年は4月に第1子となる長女が誕生し、生活リズムの変化から寝不足な日々もあった。

だが、球宴前の取材では「家に帰って顔を見るだけでうれしいし、それだけで一日やってきた疲れもなくなる」と、疲労との付き合い方を口にしていた。オールスターブレイクを経て迎えた後半戦でチームは5戦1勝4敗と苦しむが、大谷自身は好発進を決めて昨季を上回る年間57発ペース。打ち出したら止まらない男が流れを変えていく。(竹内 夏紀)

◆Rソックス戦投げずVS正尚お預け

 〇…ドジャースのロバーツ監督は22日(同23日)、大谷が25日(同26日)からの敵地Rソックス3連戦に先発しないことを明らかにした。吉田との直接対決はお預けに。指揮官は「(先発ローテは)シーハン、カーショー、メイの順番だ」と説明。次回登板は4イニングを予定しており、中6日以上で28~30日(同29~31日)の敵地・レッズ戦に登板することが有力となった。

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