◆第107回全国高校野球選手権香川大会▽決勝 尽誠学園6―2英明(27日・レクザムスタジアム)

 尽誠学園のエース・広瀬賢汰主将(3年)はマウンド上で両手を高く突き上げた。9回2死一、二塁、最後の打者は中飛。

6―2で英明を破り、9年ぶり12度目の夏の甲子園行きを決めた。左腕は初回に2点を先取されるも、その裏、4番も担う自身の適時三塁打など6安打5得点で逆転。そのまま押し切り「いい仲間に支えられた」と全員でつかんだ勝利をかみ締めた。

 コロナ禍で大会中止となった20年センバツを最後に、聖地切符を逃し続けた強豪。昨夏は丸亀との初戦でサヨナラ負けを喫した。その試合で先発し6回7安打1失点で降板した広瀬は「(先輩たちと)一緒に甲子園へ行こうという約束を果たせなかった」と落胆。その悔しさが原動力になった。

 「今年の3年生はチームワークがいい」と西村太監督(46)。広瀬を中心に最上級生23人が結束し、戦い続けた。95年センバツで観音寺中央が優勝し、香川県勢の最後の全国制覇から30年。「このチームで1日でも長く野球がしたい」と広瀬主将は力を込め、部員77人全員で日本一の夢を追いかける。(藤田 芽生)

編集部おすすめ