◆第107回全国高校野球選手権兵庫大会▽決勝 東洋大姫路7―6報徳学園(28日・ほっともっとフィールド神戸)

 東洋大姫路ナインが、マウンドめがけて駆けていった。わずか1点リードの9回2死一、二塁、エース右腕・木下鷹大(ようた)投手(3年)が148球目を投げた直後だ。

右飛に仕留め、試合終了。14年ぶりの甲子園出場だ。27日に教え子の東大阪大柏原・土井健大監督(36)が大阪大会優勝。岡田龍生監督(64)は「これで負けてたら、あいつに偉そうなこと言われるので、勝てて良かった」と笑った。

 木下が5回までに3点を失う展開。流れを引き寄せたのは4番・白鳥翔哉真(ひやま)左翼手(3年)だった。同点の6回2死二塁で、左前へ勝ち越し打。「これまで木下におんぶに抱っこだった。援護できたのは、今後にいい影響が出る」と胸を張った。

 「昭和の野球がしたい」―。大会前、岡田監督は気持ちを全面に出し、泥くさく1点を取る野球を求めた。近畿大会で秋春連覇を成し遂げたチームに少しずつ浸透。

酷暑の中、約3週間で7試合を戦い抜き、史上4校目となる県3冠を達成した。「春の忘れ物を取りにもう一回、子どもたちと頑張りたい」。優勝候補として臨んだ今春センバツは2回戦敗退した。夏の甲子園は69年に初出場し、指揮官も同校の1年生として77年の全国制覇を経験。強い「夏の東洋」が帰ってくる。(瀬川 楓花)

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